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緩みそうになる顔を隠したくて、「ちょっとお酒とってくるね」と言って立ち上がった。
『おー』という長瀬の声を受けて、キッチンに向かう。
お酒を選びながら、ふうっと息を吐いた。
ダメだなあ、全然慣れないや。
意図してるかどうかもわからないような言葉に、勝手に甘さを感じて、ドキドキしてしまう。
長瀬はいつも今みたいに、何気ない言葉でさらっと私を喜ばせてしまうから。
未だにどう反応していいかわからなくて、上手く返せない。
素直になりきれない自分のせいなのは、よくわかっているけれど。
もう一度息を吐いてから、冷蔵庫から冷やしていたグラスを取り出した。
まだ料理も残っているから、ハイボールにしようかな。
氷を入れて、ウイスキーと炭酸水、冷凍していたレモンを入れる。くるっと一度かき混ぜて完成だ。
冷たいグラスを手に画面の前に戻れば、長瀬はワインをおかわりしているところだった。
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