Remote ***【溺れる獣と甘い罠】番外編(4)

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  緩みそうになる顔を隠したくて、「ちょっとお酒とってくるね」と言って立ち上がった。 『おー』という長瀬の声を受けて、キッチンに向かう。 お酒を選びながら、ふうっと息を吐いた。 ダメだなあ、全然慣れないや。 意図してるかどうかもわからないような言葉に、勝手に甘さを感じて、ドキドキしてしまう。 長瀬はいつも今みたいに、何気ない言葉でさらっと私を喜ばせてしまうから。 未だにどう反応していいかわからなくて、上手く返せない。 素直になりきれない自分のせいなのは、よくわかっているけれど。 もう一度息を吐いてから、冷蔵庫から冷やしていたグラスを取り出した。 まだ料理も残っているから、ハイボールにしようかな。 氷を入れて、ウイスキーと炭酸水、冷凍していたレモンを入れる。くるっと一度かき混ぜて完成だ。 冷たいグラスを手に画面の前に戻れば、長瀬はワインをおかわりしているところだった。 .
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