Remote ***【溺れる獣と甘い罠】番外編(4)

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  「……ねえ長瀬」 『何だよ?』 「ふふ、何でもない」 『……変な奴だな』 こうやって、何気なく呼びかけたら、ちゃんと応えてくれる。 それが特別なことだって、私はもう知っているから。 自然とこぼれた私の笑みに応えるように、長瀬も柔らかく笑ってくれていた。 特別で、なんてことない時間。でも、とてもいい夜だ。 「ね、新居で最初の乾杯メニュー、何にしよっか?」 『いきなりそれか。ま、俺ららしいけど』 こんな風に笑い合う幸せを、大事にして。 物理的な距離を嘆くより、心の距離を埋める努力をしよう。 未来を約束しただけで満足しないで、もっともっと欲張りな願いを叶えるために。 これからも、ずっと二人で。 END.
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