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自然とうつむいてた私の前の、画面の中で。
ふーっ、と息を吐きながら長瀬が言う。
『ミオ不足。完全に』
「っ……」
思わず顔を上げると、長瀬はテーブルに突っ伏した状態で、目線だけ上げてこっちを見ていた。
画面越しの、私を、まっすぐ。
……そんな目で、見ないで欲しい。
これだけ一緒にいたら、わかってしまう。
その目が何を伝えているか。
『ミオは?』
「……え?」
『ミオは、違う?』
長瀬の、細められた目に心を見透かされた気がして、思わずそらしてしまう。
ドキドキして、苦しい。
傍に、触れられるほどの距離にいなくても、こんな風になってしまうのは……長瀬の、せいだ。
「っ……私、だって……」
『ん?』
「私も、恭に、触れたいよ……?」
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