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『お前、ほんっとそういうところだからな!』
「え?」
『触れねー時に限ってこれだよ、何だよ、拷問か!?』
「ちょっと何、どうしたの長瀬」
頭を抱えつつあった長瀬が画面越しに冷たい目を向けてくる。
『お前……ここぞって時だけ名前呼びすんのワザとか!? タチ悪過ぎるだろ!』
「えっ、なんで急に怒るの!? 理不尽!」
『っ、ああもうお前は……!』
画面越しだから怖さはないけれど、なんだか納得がいかない。
苦虫を噛み潰した顔、って感じの長瀬は、またまた大きなため息をついた。
『あーもう、いい。それより次、規制緩和したら引っ越すぞ』
「は?」
突然の宣言に、思わず間の抜けた声が出た。
え? 何? 引越し? なんで? っていうか、何の話?
疑問しかない私を無視して、長瀬は続けた。
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