不安(仁)

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不安(仁)

 望は、俺を振り返ることをせず走って公園をあとにした。 ………あぁ…やっぱり度がすぎて、望を追い詰めすぎたか。やり過ぎた俺が悪いんやけど、どうしようか…スマホの連絡先全部消去するやろうなぁ…もしかしたら駅に着いたら全部消去するかもなぁ。 消去される前に送らなあかんなぁ。読んでくれるかわからへんけど。 そうと決めたら素早くスーツの内ポケットからスマホを取り出し、メッセージアプリをひらいて早速入力し始めた。 【今までつらい思いとか不安にさせたりしてごめん。俺、やきもち妬いてほしくてわざと望の会社の近くをねらって女の子と歩いてん。一緒に歩いてくれた女の子とお礼にご飯行っただけてその他にはなんにもあらへん。 信じられへんと思うけど、望がやきもち妬いてケンカ出来たら、俺はまだ愛想つかされてへんって安心出来てん。 今はもう愛想つかされたけど、俺はまだ望の事が好きや。この先ずっとこの気持ちは変わらへん。 1年後の今日、俺ともう1度続きを…また付き合ってもいいと思ったらあの公園に18時に来てほしい。遅れてもかまへん。俺待ってるし。 もし次があるんやったら望を不安にさせるやり方で気持ちの確認なんてもうやらへん。不安になったらちゃんと望に聞くから。】 思ったことをそのまま入力して、送信した。 取りあえずメッセージ送れたから連絡先はまだ消されてへん…よかった…。あとは読んでくれることを祈るしかないなぁ…。 この1年の間に人に素直に思いを伝えられる様に、人間的に少しでも成長出来る様にとにかく頑張ろう。1年後、望が来てくれた時恥ずかしくないように…。
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