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山の中
ある日、伸一は裏山に登ってみた。ここはただ雑木が暗く茂っているだけの殺風景な山でめったに人は来ない。初めてこの山に入った人ならただ一筋、踏みならされて出来ている山道を外れれば迷ってしまうだろうが、子供の時から何度も登っている伸一にとって、この山は庭のようなものだった。頂上に登って、持って来た文庫本を読みおえて、帰途についた。尿意が起こって道から外れて笹の中を入って行き、一本の大木の陰で用をすませた。
「はー。すっきりした」
道に戻ろうとすると、その先の方で何かカサコソと音がする。何の動物だろうと思って、そっと足音を忍ばせて笹を分けて行った。人影が見えた。セーラー服の女学生だった。何やらソワソワしている。伸一は心臓の高鳴りを押さえて相手に気づかれないよう、忍び足で腰を屈めて引き返し、相手に気づかれないほどの距離をとった。ちょうど太い大木があったので、それに身を寄せて腰を屈め、息を殺してそっと女を見た。驚いたことに女は同級の秀才でクラス委員長の愛子である。ソワソワして様子がおかしい。小用をしたいのなら、ここは山道から入り込んでいて、まず人に見つかる事は無いのだからさっさとすればいい。しかし、そもそも何の用でこの山に登ってきたのだろう。
伸一が疑問を感じながら息を潜めて見ていると、驚いた事に愛子は服を脱ぎだした。セーラー服を脱ぎ、ブラウスも脱ぎ、スカートも脱いだ。伸一が息を呑んで見つめていると愛子はブラジャーをとり、パンティーも脱いで一糸まとわぬ丸裸になった。着やせするたちだ。ムッチリとした太腿、スラリと伸びた脚。乳房も十分な肉の量のため、下縁がクッキリと輪郭をつくって、胸板の上にのっている。尻も十分な量の肉のため、ピッチリ閉じ合わさっている。それはもう十分発育しきった女の肉体だった。伸一が息を潜めて眺めていると、愛子は信じがたいようなポーズをとりだした。仰向けに草の上に寝て、膝を立て、足を目いっぱい大きく開いた。伸一の位置からは見えないが、愛子の正面に立ったら女の恥ずかしい所が全てが丸見えである。愛子は笹の葉を一本とって、葉の先で乳房やら、腋下、脇腹などをなぞったりした。それがだんだん下降して女の部分へと行く。
しばらく目を瞑って笹の葉で体を弄んでいた愛子は今度は体を反転させ、四つん這いになり、足を大きく開いて、尻を高々と上げた。そして尻の割れ目に笹の葉を持っていくと、スッと触れさせては、「ああっ」と切ない声を出し、尻から太腿をピクピクと震えさせた。何度もそんな事を繰り返した後、尻の穴を広げて笹の茎を尻の穴に差し込んだ。キュッと尻の穴がすぼまって、あたかも尻尾のようである。
伸一は息を潜めてじっと見ていた。愛子は裸のまま、草の上に仰向けに寝て右手を女の割れ目に入れ、ゆっくりとしごきだした。だんだん蠕動が速くなっていく。残りの手で乳房を揉んだり、乳首を摘んだりしている。愛子の呼吸はだんだん速くなっていった。顔は眉を寄せ、苦しそうな表情である。時々、「あっ。あっ」と声を洩らすようになった。蠕動はどんどん速くなっていく。ついに愛子は「ああー」と大きな叫び声を上げた。ガクガク震えていた体は動かなくなった。愛子はカバンからティッシュを取り出すと、女の部分を丁寧に拭いた。しばし、じっとしていたが、愛子はムクッと立ち上がると足を大きく開いて、手で尻の肉を掴み、ピッチリ閉じ合わさった尻の割れ目をグイと開いた。まるで人に尻の穴を見せつけるように。愛子は大木の前に立つと、両手を背中に回してみたり、頭の上で手首を交差させたりした。あたかも木に縛られた格好である。しばし、そうしてじっとしていた後、胸と秘部を手で隠してソロソロ歩いてみたり、捕縛された女が連行されるように両手を背中に回して、背中で手首を重ね合わせて、ソロソロと歩いたりした。そして立ちどまって足を開いて手で割れ目を開いてみたりした。
その後、髪を掻き揚げて、顔を空に向け、片手の手の甲を腰に当て、腰をくねらせてヌードモデルの様なポーズをとったりした。そんな事をしているうちに日が暮れだした。愛子はカバンの所へ行き、パンティーを履き、ブラジャーをつけた。そしてセーラー服を着ると、いかにも満足したような表情で、カバンを取り、笹を掻き分けて、山道に出て、山を下っていった。
一部始終を見ていた伸一は口元を歪めてニヤリと笑った。
翌日の月曜日の昼休み。愛子はいつものように、はしゃいでいる皆をよそに一人静かに、教科書を開いて勉強していた。伸一が愛子の所に行くと、愛子は顔を上げて、屈託のない笑顔で、
「なあに。伸一君」
と言った。伸一は口元を歪めてニヤリと笑って言った。
「昨日の××山での君は、とっても素晴らしかったぜ」
とたんに愛子の顔が真っ青になった。口唇がピクピク震えだした。握っていたシャープペンがポロリと落ちた。伸一はフフンとせせら笑った。
「安心しな。まだ誰にも言ってないぜ。そのかわり、今日の放課後、学校の裏にある廃屋へ来な」
そう言い捨てて伸一は席に戻った。
その後、愛子はまるで尻が椅子にくっついてしまったかのように、微動だにせず、授業中も顔を上げる事も無く、ずっと俯いたままだった。一度、そっと伸一のいる席の方をそっと見た。伸一のニヤついた目を見ると、真っ赤になってサッと顔を戻した。
休み時間。伸一は太男に、「いい事をおしえてやるぜ」と言って校庭に連れ出した。
伸一と太男は仲がいい。太男は愛子に激しく恋していて、以前、付き合ってほしい、と、告白したのだが、愛子に「ごめんなさい」と断られて、それ以来、愛子に愛憎いりまじった複雑な感情を持つようになっていた。太男が、
「いい事ってどんなことだ」
と聞くと、伸一は、
「お前の好きな愛子をお前の玩具にさせてやるよ」
と言った。太男がびっくりして、
「どうしてそんなことが出来るんだ」
と聞いたが、伸一はしたり顔で笑って、
「それは内緒だ」
と厳しい口調で言った。
放課後、伸一と太男が学校の裏の廃屋で待っていると、ギイと戸が開いて愛子が入ってきた。愛子はソファーに座っている伸一と太男を見ると、戸を閉めて二人の前にやって来て、立ち竦んだ。俯いて手をギュッと握りしめ、睫毛をフルフル震わせている。
太男はしばし、信じられないという様な顔で、あっけにとられていたが、気を取り直すと伸一の裾をつかんで激しく引っ張った。
「おい。伸一。どういう事なんだ。どうしてこんな事が出来るんだ」
伸一は、ふふふ、と余裕の笑いを見せるだけで答えない。
「そうか。きっと何か、愛子の秘密をつかんだんだな。何だよ。教えろよ」
太男はまた力強く伸一の裾を引っ張った。伸一は答えず、うつむいている愛子の目をじっと見据えた。
「どうだ。愛子。言った通り、まだ誰にも言ってないだろう」
愛子はフルフル睫毛を震わせながら、少し顔を紅潮させている。
「おい。愛子。別にオレが喋っちゃいけない義務は無いんだぜ。それともみんなに言いふらしてもいいのか」
愛子はあいかわらず、睫毛を震わせながら手をギュッと握っている。伸一は大きな声で怒鳴った。
「おい。愛子。黙ってばかりいないで何とか言え。皆に言ってもいいのか。返事しろ」
「・・・い、言わないでください」
愛子は小さな声で言って真っ赤になって俯いた。伸一は得意顔になって腕組みした。
「よし。ちょっと声が小さいがまあいいだろう」
伸一はしばし俯いている愛子を眺めていたが、再び威嚇的な声で怒鳴った。
「おい。愛子。お前のやった事は極めて不道徳な事なんだぞ。公序良俗を乱す事なんだぞ。皆に言って、ああいう行為がいい事かどうか、聞いてもいいんだぜ。それを黙っているのは、皆にそんな事が知れたらお前がかわいそうだと思うからだ。礼くらい言ったらどうだ」
「・・・あ、ありがとうございます」
愛子は顔を真っ赤にして言った。
「よし。じゃあ、お情けでお前のした事は一生誰にも言わないでやる」
「あ、ありがとうございます」
今度は心のこもった口調だった。伸一はすぐに言葉を継いだ。
「しかし無罪放免というわけにはいかないな。罪を犯したら、それ相応の罰を受けるのは当然だろ。お前にふさわしい罰を与えてやる。それがいやなら皆に言いふらす。さあ、どうする」
「ど、どんな罰なんですか」
愛子は小さい声で聞いた。
「だから、お前にふさわしい罰だ。今日一日で勘弁してやる。そうすれば無罪放免だ。どうだ。従う気はあるか」
愛子はしばし眉を寄せ、困惑した表情をしていたが、訴えるように聞いた。
「・・・ほ、本当に今日一日なのですね」
愛子は念を押すような口調で言った。
「ああ。本当だとも」
伸一は堂々とした口調で言った。愛子はしばし伸一の目を見つめていたが、伸一は愛子の視線をそらそうとしない。
「・・・わ、わかりました」
愛子は小さな口を開いて小さな声で言った。伸一は太男の腕を引っ張った。
「おい。ちょっと耳をかせ」
伸一に言われて太男は頭を伸一の方に寄せた。伸一は掌を太男の耳の前に立て、その後ろで愛子に聞こえないように何かを太男に耳打ちした。太男はニヤリと笑って愛子を見た。伸一は、よっこらしょ、と言って立ち上がった。
伸一は愛子の背後に回ると愛子の両腕をグイと背後にねじり上げた。愛子は反射的に、
「あっ」
と声を出し。
「な、何をするの」
と自由を奪われた体を揺すって叫んだ。伸一は愛子の訴えなど無視して愛子をガッチリと取り押さえたまま急いで太男に目配せした。
「おい。太男。愛子にやりたい事を何でもやりな。俺が愛子をしっかり押さえててやるから」
言われて太男は口元を歪ませながらジリジリと愛子に近づいていった。愛子は近寄ってくる太男を気味悪がるように後ずさりしようとしたが、伸一が愛子をガッチリと後ろ手に捕まえているのでどうにもならない。伸一は腕力が強い。愛子がもがいても銅像のようにビクリとも動かない。あたかも愛子は後ろ手に縛められカッチリと不動の柱に繋ぎ止められているかのごとくである。太男は愛子の目前に来るとドッカと胡坐を組んで座った。
「おい。太男。俺がしっかり押さえててやるから何でも好きな事をして愛子を弄びな」
愛子をガッチリと後ろ手に掴んでいる伸一が言った。
「おう。しっかり押さえててくれ」
そう伸一に向かって言って。太男は目前に佇立している愛子に視線を向けた。愛子はあたかも蜘蛛に捕らえられた美しい蝶のごとくである。太男は涎を垂らしながら愛子を頭の天辺から爪先まで、美術品を鑑賞するかのごとく舐めまわすように眺めた。愛子はその視線に耐えられなくなり頬を紅潮させて顔をそむけた。これから何をされるか分からない恐怖でピッチリ閉じた腿がプルプル小刻みに震えている。
「うーん。きれいだ。まるで人形のようだ。こんな綺麗な女を自由に出来るなんて。まるで夢のようだ。お前が押さえててくれなかったら、俺みたいな不細工な男には、こんな綺麗な女には一生、手を触れる事なんて出来ないだろう。うんと楽しませてもらうぜ」
そう言うや、太男はピッチリ閉じている愛子の太腿に手を入れた。そして膝頭の上から腿の付け根までの柔らかい太腿の感触をおもうさま貪った。太男は愛子の太腿をヒシッと両手で抱きしめて愛子の柔らかい太腿に頬を押し当てた。
「ああー。柔らかくて、最高の感触だ」
太男は愛子の太腿に頬ずりしながら言った。太男は何もかも忘れた忘我の法悦境にいるかのような様子だった。愛子はあたかも蜘蛛の巣にかかって毒蜘蛛に弄ばれている美蝶のようであった。
伸一に背後からガッシリと掴まれているため、愛子は逃げることも抵抗することも出来ない。下肢は太男にラグビーのタックルのように抱きつかれている。「嬲る」という字は一人の女が二人の男に挟まれている形だが、愛子はまさに二人の男に嬲られられていた。もはや愛子は抵抗をあきらめたかのごとく立ったまま動かなくなって首を垂れた。しばしの陶酔の眠りから醒めたように太男は愛子の太腿にかけていた手をほどき愛子から離れた。太男が愛子の顔に視線をやると愛子は羞恥に頬を赤くして顔をそむけた。
「おい。休んでないで、もっと弄べ。こんな事が出来る機会は今日だけかもしれないぞ」
しばし酩酊の余韻に浸っていた太男だったが、一休止すると、再び動き出した。
伸一に促されて太男は再び舌なめずりして愛子に手を伸ばした。太男は愛子のスカートの中に手を入れると、柔らかい弾力ある尻や女の果肉をパンティーの上からまさぐりだした。愛子は反射的に、
「あっ」
と叫んで腿をピッチリ閉じた。愛子の腿はプルプル震えている。太男の手がパンティーをまさぐる様子がスカートで見えないため、それが辛さに加えて不気味さを起こさせた。スカートの中でパンティーの上を不気味に触手が這い回っている。
「ああー」
愛子は眉を寄せて切ない悲鳴を上げた。
「や、やめてー」
太男は愛子の訴えなど無視して愛子を嬲りつづけた。
「ふふ。普通ならスカートの中のパンティーを見る事さえ出来ないのに。こうやって心ゆくまで触れるなんて、まるで夢のようだ」
太男はさかんに愛子の大きな柔らかい尻を撫でたり、パンティーの上から女の肉をつまんでみたり、パンティーのゴムを摘んで、パンティーの弾力を調べたりした。
「ふふ。パンティーを降ろしちゃおうか。この状態なら、わけもないぜ」
太男はパンティーの腰のゴムを摘んでそんな事を言った。太男は口元を歪めて愛子の顔を見ながらパンティーの腰のゴムを少し引き下げた。
「お、お願い。やめて」
愛子は腿をピッチリ閉じて泣かんばかりに訴えた。太男は薄ら笑いしながら続けて言った。
「ふふふ。パンティーもスカートも上着も全部脱がしちまう事も出来るな。愛子を一糸纏わぬ丸裸にしちまおうか」
太男は、そんな事を言って愛子を押さえている伸一に顔を向けた。
「おい。伸一。どうする。全部、脱がしちまおうか」
伸一は両手を愛子の腋の下へ通し襟首の所で組み合わせてガッチリと羽交い絞めした。
「ふふ。まあ、そうあせることもねえ。脱がすのもいいが。服を着たままの、いつもの姿の愛子をもてあそぶってのが脱がすよりエッチなものだ」
伸一はつづけて言った
「力づくで脱がせば強姦だが服の上からさわりまくれば痴漢だ。痴漢の快感を心地ゆくまで味わえ」
「なるほど。それもそうだな」
そう言って太男は掴んでいたパンティーのゴムを離した。太男は伸一に取り押さえられ腿をピッチリ閉じて立っている愛子の前にドッカと胡坐をかいて座った。目の前はちょうど愛子のスカートである。太男はスカートの裾をつかむと、ゆっくり時間をかけてスカートを持ち上げていった。
スカートの中のパンティーが顕わになった。腿がピッチリ閉じプルプル震えている。純白のパンティーが顕わになった。パンティー。この実用物は女に履かれて女の体と一体化する事によって、この上なく美しい構造美をつくっている。パンティーはその伸縮性によって女の恥部を見事に整えている。女の肉は形よくピッチリとおさまって美しい輪郭の小さなふくらみを作っている。
太男は目の前の愛子のパンティーをしげしげと見つめた。
「ふふ。すげえ。女のスカートなんて、めくるどころか触れることも出来ないのに。こんなにどうどうとスカートをめくってパンティーを目の前でじっくり見ることが出来るなんて。夢のようだぜ。もしかするとこれは夢で、俺は夢を見ているのかもしれないな」
そう言って太男は自分の頬をギュッとつねった。
「いてー。やっぱりこれは夢じゃないんだ」
そう言って太男は再び涎を垂らさんばかりの表情で愛子のパンティーを見つめた。視線は一点。愛子の女の部分に固定されている。太男は愛子を見上げた。
「おい。愛子。どうだ。こうやってスカートをめくられてパンティーを観賞される気分は」
「は、恥ずかしいわ。お願い。やめて」
愛子は顔を火照らせて顔をそむけた。太男は愛子の訴えを無視してパンティーの一点をうっとりと見つめていたが、
「どれ。どんな匂いがするか、嗅いでみるか」
と言って、グッと身を乗り出して愛子のパンティーの女の部分に顔を近づけた。太男の鼻先が愛子のパンティーの柔らかい部分に触れた。
「あっ。いやっ」
愛子は首を振って抵抗した。愛子が反射的に腰を引いたため、鼻先がパンティーから離れた。太男はニヤリと笑い、太腿を愛撫した時と同じように両腕で愛子の太腿をガッシリと抱き、顔をパンティーに埋め、鼻先を女の部分に当てがった。
「あっ。いやっ。やめて」
愛子は必死で叫んだが、ラグビーのタックルのように太腿をしっかり掴まれているためにどうにも出来ない。顔をピッタリとパンティーに押しつけているため。空気の流通が無くなり。愛子の女の部分から発散される女の匂いが太男の顔の前によどんだ。太男はピッタリと鼻先を愛子の女の部分に押しつけると勢いよく鼻から吸気した。そしてそれを何度も繰り返した。
「ああっ。いやっ。やめて。お願い」
愛子は腿をプルプル震わせながら真っ赤になった顔を激しく左右に振った。太男は愛子の訴えなど無視して酩酊した表情で瞑目して愛子の女の谷間に顔を埋め愛子の太腿を抱きしめている。
「おい。どんな匂いだ」
愛子を取り押さえている伸一が聞いた。
「いい匂いだ」
「どんな匂いだ」
「腐ったチーズのような匂い」
「ほう。愛子ほどのきれいな女でもアソコの匂いはやっぱり臭いんだな」
伸一はつづけて言った。
「でも、くさいからこそ、かえっていいんだ。女のそこの匂いがいい匂いだったら、かえって駄目だ。一番、大事な所がくさいからこそいいんだ」
愛子は真っ赤になって顔をそむけている。太男はしばし恍惚とした表情で愛子のパンティーに顔を埋めていた。愛子はもう、どうしようもないと諦めたのか、静止して太男のなすがままになっている。
「おい。太男。そろそろ快感に浸りつづけるのはおわりにしろ」
伸一に言われて、太男は愛子から顔を離した。太男は酩酊者のように上気した顔で、伸一に取り押さえられている目前の愛子を眺めている。伸一は羽交い絞めを解いた。愛子は虚脱したようにクナクナと倒れるように座り込んだ。
「おい。太男。どうだった。愛子の味は」
「最高だったよ。まさに夢かなったり、だ」
「そうか。それはよかったな」
太男は床の上に俯いて座っている愛子をニヤついた顔で眺めている。伸一はキッと厳しい目で、うかれている太男を見た。
「おい。太男。お前はもう帰れ。それと今日の事は誰にも言うなよ」
太男は伸一を見た。
「ああ。わかったよ。こんないい思いが出来たのは、お前のおかげだからな。今日の事はオレの一生の宝物だ。お前には感謝してもしたりないくらいだ。お前の言うとおり今日の事は誰にも言わないよ」
そう言って太男は立ち上がり、廃屋を出て行った。
あとには伸一と愛子がのこされた。
愛子はうつむいて座っている。
「おい。愛子。俺は約束は守る。お前はもう罰をうけたから今日で無罪放免だ。俺は一生、誰にも言わないから安心しな」
そう言って伸一も廃屋から出て行った。
小屋には愛子一人になった。愛子はしばし力なく目を瞑って無言のままソファーに身をもたせていた。外は真っ暗である。一時間くらいして愛子はやっとソロソロと立ち上がった。愛子はそっとスカートをはたきカバンを取って廃屋を出て家に向かった。目に涙が滲んでいた。
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