公開プロポーズ

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それにしても、「長いつきあい」?「私にも施術」って? 私にはそんな資格なんてないし。第一、私のことを誰から聞いたのかしら。ここにいるみんなが、私に会いに来たように感じるのだ。買い被りすぎなのだろうか。 「はい、とてもうれしいです。エステでしたら、していただくより、教えていただきたいです。お母様の下で」  エヘヘへ……。「お母様」とお呼びしてしまった。「いつでもいらっしゃい」と言ってくださったのは、いつでも教えてくださるということだろうか。  ジュンくんはお母様似なんだ! 「そして……、こちらはもうご存じね。高校が一緒なんですものね。牧村潤さんと愛理さん」  制服姿のジュンくんはいつものように片手を上げて、やあ、と言った。相変わらずキラキラ輝いている。私のことをほっぽらかしにしておいて、その輝きはあまりにも妬ましい。  私の心は相反する二つの思いで引き裂かれそうだった。一方は、今すぐジュンくんの胸の中に飛び込んで大声で泣きたい思い。もう一方は、「結婚しよう」なんて言っておいて一度も電話してくれないし、会いにも来てくれなかったことに対する恨み。そう、恨みなのだ。憎たらしい!  そんな心理状態にもかかわらず、 「久しぶりね、ジュンくん」  涼しい顔で、いつも友達にするように胸の前に手を上げヒラヒラと振った。    ただし、声は反オクターブ落とした。
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