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唇をふさがれた状態で、ニットの上を彼の手が這う。胸が揉まれたわけじゃないのに肌のあちこちに快感が芽生え、はじけ、広がっていく。お腹の奥の方からぷつぷつと泡が上がって来る。そのたびに私はピクン、ピクンと躰が跳ねてしまう。呼吸が激しくなり、声が混ざる。
「あ……、あ‥‥‥」
耳たぶを噛まれる。
「‥‥‥っ!」
うなじを吸われる。
「ふぅあ‥‥‥」
愛撫の中心が移動してゆくごとに、躰が揺らぐ。新しい性感帯がポンッ、ポンッと音がするように花開いてゆく。
「サキ……、大好きだ……」
「ジュ、ジュンくん‥‥‥」
耳元での囁き声が鼓膜をピリピリと震わせ、細かい波動が躰に拡散してゆく。彼の声にこんなに体が反応してしまうなんて、信じられない。鼓膜さえも性感帯だなんて‥‥‥。
車が止まる。赤信号なのだろう。お母さまが後部座席に振り向く。
あ、いけない。スカートがまくれてる。お母さまに見られただろうか、レースの紐ショーツを。ショッキングピンクだから薄暗い車内でも怪しい光を発しているかもしれない。
ジュンくんの首から離した手でスカートの裾を降ろす。そのとたん、ジュンくんの手に膝からお尻にかけてサワーっと撫でられ、スカートがまたまくれ上がってしまう。
あっ、膣が震えた。くっついていた襞がトクンと音を立て筒状になったような感覚だ。熱いものがゆっくり膣を降りてくる感覚がある。同時にモゾモゾするような快感で喘いでしまう。
「んんーん、ああっ……」
お母さまも愛理も聞かれてしまった。どうしよう、どうしよう……。
「5月は不感症だったの。何されても『痛い、痛い』って言って。だいぶ開発されてきたみたいね。全身が性感帯って感じじゃないの……」
ドキッとした。
五月と言えば、保健室で手足を縛られ、目隠しをされ、犯されかかったときではないか。あれは男ではなく間違いなく女だった。髪の長い女。
えっ! ま、まさか、愛理が⁈
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