車中キス

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「中学に上がることからお洋服に興味を持つようになってね。その子の躰を触れば被服素材でピッタリの服を作ることもできるのよ。牧村の血筋は時々こういう天才児が生まれるのよ。でも、愛理さん、自分のそんな才能にちょっとうぬぼれていたんじゃないかしら。女の子に目隠しをして体をいじりまくるなんて」  お母様は愛理の膝を軽く叩いた。私の前だからそうせざるを得なかったのだろう。痛くもない叩き方だったが、お母さまが愛理を叱ってくださったことで一応、私のメンツは保たれている。愛理がそこでやっと「ごめんなさい」と謝罪した。  本来なら、謝罪したからと言って赦されることではないと思う。だって、「サイズを測る」以上のことをされたのだから。  乳房を揉まれ、ショーツの中にも手を突っ込まれた。大陰唇を開かれ、小陰唇に指を這わされた。クリトリスも剥かれ、膣の中にも指が食い込んで来たのではなかったか。私の一番大切な所を。ジュンくんにだけ捧げたい所に彼女は泥だらけの土足で入って来たのだった。犯そうとしたのだった。  でも、愛理は謝ったのだから許してあげたい。その件はもう解決だ。  話題を変えようと思った。 「あの、ジュンくんのお母さまは愛理さんのことさん付けでお呼びしますよね? 愛理さんもお母様のことを『夏帆さん』ってお呼びする……」 「ああ、それね……。愛理さんは私の義理の妹になるわけ」 「義理の……、ということはジュンくんのお父さんの妹さん」 「ええ、そういうことね……。まあちょっと複雑なんだけど……」    要するに、貞利博士の最初の奥さんが亡くなった後、ミツエさんが後妻として嫁いできた。愛理は博士とミツエさんの間にできた娘なのだそうだ。
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