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「ということは、愛理さんはジュンくんにとって、えーと……」
「叔母さんなんだ。オレの叔母さん。同い年だけど、愛理は叔母さんなんだ。そうだよな、愛理? オマエ、オレの叔母さんなんだよな?」
「うっるさいわねえ、オバサン、オバサンってぇー。もう、このクソガキィー!」
そうか、それで納得。一つ解決。この勢いでもう一つ解決してみよう。
「あの……、じゃあ、保健室のフミカ先生って……」
「ああ、フミカはね、ジュンにとっては『はとこ』かな? 要するにおじいさんどうしが兄弟なのよ。ああ、宮田さんとこのこのみもそんな感じかな。貞利博士の妹の血筋になるのね」
なんだ! 要するにみんな牧村の血で繋がっているんだ。
いや、待てよ……。ジュンくんも愛理もこのみちゃんもフミカも血がつながっているなら、そして同じ高校に通っているなら……。
記憶は保健室事件の翌日に飛んで行った。貞利博士に鍼治療をしてもらったときのこと。腰の治療の後、仰向けになれと言われ、胸元と下腹部を中心に何本もの鍼が刺されたこと。性感帯の開発だとミツエさんが言ってたこと。どうしてあの時、患者本人が不調を訴えたわけでもないのに性感帯開発をされたのだろう。
え? まさか、愛理さんからの情報、つまり私が不感症だという情報が博士とミツエさんにも……?
ばらばらだった事象にようやく一本の糸が通されようとしていた。
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