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違和感に気づいたのはそれから数秒、いや数分の後だったかもしれない。左の臀部を撫でているのは明らかに二本の手。それは見ていなくても触覚でわかる。右の臀部を撫でているのも二本の手。え? お母さまのほかにもう一人?
頭を上げて振り向くと確かにもう一人女性がいる。お母さまと同じ黒いユニフォーム。背がすらりと高くて髪の毛が長い。バリ風の巻きスカートの色合いだけが違う。
愛理だった。彼女が右のお尻をなでながら、私の恥ずかしい部分をのぞき込んでいる。
「ア、アイリ……。いや、恥ずかしい……」
私は背中から手をまわしワレメを隠そうとした。しかしそれはお母さまに捕らえられ、「こら!」と手の甲をピシリとはたかれた。すごく痛かった。
「愛理はまだ高校生だけど、私の立派な片腕なの。エステティシャンとしてのテクニックは一人前よ。それは尊重してもらいたいの」
「はい、すみませんでした」
お母さまのおっしゃることは絶対だ。素直に服従する。でも、かつてはジュンくんのカノジョではないかと疑った子。いくら叔母だとは言っても愛理だって私に対抗意識みたいな感情はないのだろうか。そんな落ち着かない感情を抱いている人に自分の躰を触られたくないというのが本心だ。
「お母さま、サキのお尻って5月の時はこんなに膨らんでなかったんですよ。どちらかというとちょっと発育不足かなって感じ。でも、今は……、ほら、お母さま、こんなに丸くて、こんなにきめ細かくて……」
「それが、博士のすごいところなのよ。数本の鍼で女体を改造しちゃうの……。サキさんってすっごくラッキーなのよ。覚えておきなさいね」
「は、はい……、うう……」
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