122人が本棚に入れています
本棚に追加
痛みが膣の一か所にいつまでも点のように存在していたが、全体的にはいい感じだった。奥の方をいじられると、クリトリスで味わう目くるめく快感とは一味違う、仄かな温かみを伴った快感がじんわりと広がって来るのだった。湖畔に打ち寄せる小波のようでもあった。「いい感じ」が「快感」に変わりつつある。
「あぁ……」
とても穏やかな声が漏れた。
「んん‥‥‥」
ジュンくんも穏やかな声で返してくれる。
痛みが軽いのは貞利博士の鍼のおかげかもしれなかった。しかしそれ以上に大きいのは、やはり何と言ってもジュンくんの優しさといたわりだと思う。初エッチの時は、男の人が欲望に駆られて、レイプのような、目も当てられない悲惨な様相になることが多々あると聞く。そう涙目で告白したクラスメイトもいた。それと比べるならジュンくんはなんて優しいんだろう。彼だってオトコの欲望は持っているはずなのに、それをいきなり放つことはせず、私を守ることを優先させてくれる。私は世界一ラッキーな女の子なのかもしれない。
ジュンくんの指がゆっくりと抜き差しを始める。ドーナツの穴が摩耗したからだろうか、出入りに余裕が出てきたように感じられる。穴の周りを縫っていた糸が切れて広くなったようだ。でもまだ狭隘な部分が残っていて、擦れるたびに虫刺されを掻きこわすような不快感が灯る。が、さっきよりはだいぶ落ち着いてきた。
「っあぁ……」
「んんー‥‥‥」
くちびるからほんのりした声が漏れると、ジュンくんもおおらかにうなずきながら鼻声で返してくれる。
膣がまた蜜をにじませ快感を探し始める。そうなのだ。膣は私の性格の投影だ。ちゃっかりしている。痛いときはあんなに怯えていたのに、危機さえ脱すればすぐまた愛嬌を振り撒こうとする。気持ちいいといつまでもそれに甘えていようとする。こわがりで欲張り。──それが私の膣だ。
最初のコメントを投稿しよう!