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「男の子ってみんなこんなに?」
「いや、オレのは大きい方かも……」
真純や美丘が教えてくれた大きさをかなり上回っている感じがする。「こんなモンかな」と親指と中指で示された長さをはるかに超えているし、お猪口を摘まむように手で筒を作って見せてくれた太さよりも太い。コンビニで売られている栄養ドリンクをちょっとだけ膨らませた程度だったと記憶しているし、「くちびるでこうやってやるの。咥える時はこうやって‥‥‥」と見せてくれた演技では軽々と口に入れられるほどのコンパクトさだった。
ウソつき!
真純も美丘も嘘つきだ。親友だから信じていたのに‥‥‥。
「うう‥‥‥、サ、サキ‥‥‥」
手のひらで軽く擦っただけなのにジュンくんは顔をしかめた。きっと触るだけでも痛いんだろう。だってこんなに腫れているんだもん。
「あっ、ごめんなさい!」
今にも破裂するんじゃないかと危ぶまれるほど血管が膨らんでいる。心臓のように脈打っている。いや、これこそがジュンくんの心臓なのかも。手で強く握ったら心臓が破裂して、てっぺんの鈴口からまっ赤な血が噴き出てくるんじゃないだろうかと危ぶまれた。
慌てて手を引っ込めた。
「あ、いや、痛いわけじゃないから。ただ‥‥‥とても敏感でさあ‥‥‥」
ジュンくんは恥ずかしそうにした。男の子にも羞恥心はあるのだろう。それになんてったって、ジュンくんには私が初めての女性なのだ。心の中はきっと不安や恥ずかしさや戸惑いもあるはず。
──「初めての女性」‥‥‥、いいなあ、この言葉。この感覚‥‥‥。私がジュンくんの「初めての女性」。
「竿の部分をキミの手でこうやって、ゆっくりこうやって‥‥‥」
しごいてほしい、と言うことらしい。私はおそるおそる竿を掴む。心臓が高鳴り、くちびるがピクピク痙攣してしまった。竿に沿って左手の隣に右手を並べる。それだけでも優に13~14センチの幅はあるのに、その上にキノコの笠の形のはみ出ている。
「ああ、サキ‥‥‥。とてもいいよ、サキ‥‥‥」
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