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裸で放置されて
「制服、上と下みんな脱いでね?」
「み、みんな……ですか?」
フミカの声の冷たさには反抗できない鋭さがある。「ね?」なんて語尾を上げられるから表面上は同意を求められているようにも思えるが、声質と目つきには跳ねのけることのできない押しがあり、実質は強制だ。逆らってもいいことなさそうだから、しぶしぶ赤いスカーフをほどきセーラー服を脱ぐ。腰のホックを外しスカートを下ろす。その過程をフミカはじーっと見下ろしている。
「じゃ、ここに仰向けになって」
冷たく語尾を下げ、ベッドの布団をポンポンと叩くフミカ。腕で胸を隠ししぶしぶ横になる。
一時限目の始業のベルが鳴る。あーあ、とうとう今日は完璧な遅刻か……。
「これ、しといたほうがいいと思うから……」
アイマスクを掛けられた。
「え? こ、これって……」
それを触ろうとした手がすかさず捕らえられ、手首に何かが巻かれる。血圧でも図るのだろうかと暢気に構えていたら、二本とも縛られ頭上に吊り上げられた。手ぬぐいのようなものだろう。引っぱるとキコキコと鉄のベッドががきしむ音。柵に結びつけられたようだ。
「あ、先生、これ、なんでですか?」
不安で声が震える。目隠しされている上に腕で胸が隠せないから余計不安が募る。
「だって、腰が痛いんでしょ?」
「あ、ええ……」
そっか。きっとこれは、腰を治療するためなんだ。おっちょこちょいの私はそれで理解した気になった。
両足首も縛られた。同様に下の柵に結ばれる。きっとこれも治療のため。私は上と下から引っ張られて腰を伸ばされる自分の姿を想像した。おかしくてちょっとだけ吹き出してしまった。保健室の先生が私に危害を加えるわけがない。治療よ、治療。安心しなさい、サキ……。
自分を納得させようとするが、状況はどんどん予想とは違う方向へ進んでゆくばかり。
養護教諭の手が私の髪の毛をかき上げた。両手でうなじを触られ、肩を撫でられる。その時ブラの肩ひもが落とされた。ブラとショーツの間の露出した肌の上を彼女の手が這い回る。何か大切な忘れ物を探すかのように。
「私、ちょっと出てくるから」
片方の胸の膨らみに手を乗せて、フミカが耳元でささやいた。
「え?」
「このままおとなしくしてなさい」
「え、ちょっと……、先生……」
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