裸で放置されて

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 躰を隠したくて腕を引こうとしたが、縛られていてできない。ギークギークとベッドの軋む音が大きくなる。恐怖で乳首が縮みあがってヒリヒリする。 「み、見ないで。お願いです。出て行って……」    悲鳴なんて上げられない。助っ人なんかに入って来られたら、状況は私が望まない方向に発展するだろうから。  見られている。胸のふくらみも、極度の緊張で乳首がへこんでしまった乳房も。 「ひっ……」  左右の乳房が生暖かいものに覆われた。三、四回ゆっくり揉まれ、親指で下乳をすくわれ、乳首までも撫でてゆく。恐怖に鳥肌が立つ。 「いやっ!」  屈辱に貫かれた躰がピンと跳ねあがる。手を引っ張っても、足で暴れてもベッドがきしむのみ。不利な状況は変わりもしない。  左乳が広い手のひらにぷにゅぷにゅと揉まれる。軽くつかまれて時計回りに大きく回される。そして乳肉の中に何かを探し求めるように指がゆっくりゆっくり沈んで来る。 「イヤです! やめてください、お願いだから。イヤ、イヤ、イヤ!」  私は躰を捩って半泣きで訴えかけるが、相手には伝わらない。「ふっ」と笑われたような気がした。空耳だろうか。恐怖と屈辱で引きつる私を見て楽しんでいるように感じる。  右の乳首に指が当てがわれ、爪先ではじかれる。何度もはじかれる。振動が躰の中心をとおって子宮にまで下りて来る。膣がキュウッと縮みあがる音さえ聞こえそうだ。悪魔の吐息が躰を這う。 「やめて……。イヤ……。あ、痛い……、イヤ……、穢さないで……」  ありったけの力でからだをよじって抵抗するが、しょせん女の力だ。かなうわけがない。声を低めて、ただひたすら容赦を求める。ひたすらに、ひたすらに、相手の良心に訴えかける。ベッドがきしむ。猛獣が閉じ込められた檻の鉄格子のようにギコギコ音を立てる。  双乳がガシッと鷲づかみされた。指がUFOキャッチャーのように閉まってくる。雑巾のように乳肉が絞られる。 「痛い……、イヤ……」  そう。私は胸を触られると痛みを感じるのだ。恐怖と緊張で躰じゅうが硬直しているからなおさらだ。  朝子姉さんのパソコンでAVなるものを見たことがある。女優のおっぱいは例外なく男の荒々しい手により揉みくちゃにされる。あんなに激しく揉まれて痛くないのだろうか。下半身を連続突きされ女優のおっぱいが激しくはねる。私なら痛くて悲鳴を上げてしまうと思う。  朝子姉さんにおっぱいをいたずらされた時も痛かった。同じことをお姉さんにしてやったら、気持ちいいからもっと続けてと言われた。信じられなかった。ほかの女の子も胸を触られて気持ちいいのだろうか。  そうか──不感症……。  桜坂の王子が私を見て不感症だと言った。普通の女の子に気持ちいいことが私には気持ち悪かったり痛かったりする。やっぱり不感症なんだ。そう言われてみれば生理始まるの遅かったし、生理不順もあるし……。女性ホルモンが欠乏しているのかも。
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