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処女は私が好きな男の人に捧げるの! イヤだ! 処女膜をほじくらないで! 悲鳴を上げたくても上げられない、このもどかしさ。私は恐怖に凍り、失神寸前だった。
膣の最初の襞がまくられる。次の襞がいじられる。そして次の襞も‥‥‥。
イヤだ! やめて! お願い!
キコッ、キコッ、ゴギッ、ギグッ‥‥‥。
トンボに催眠術を掛けるように指を小さく回しながら侵入してくる。タイトな穴をだましだまし広げてくる。私は腰を捻って侵入を阻止しようとするが、相手の指は執拗だ。情けないことに膣が湿っている。潤滑液に濡れた膣が侵入を助けている。バカ! 膣のバカ! まんこのバカ!
口を塞がれていた手で、唯一の酸素の吸入口である鼻さえも塞がれた。恐怖で全身鳥肌が立つ。
「むんーーーー! ふむんんーーーー!」
く、く、苦しい。頭の奥から化学物質の臭いが降りて来る。死だ。死の臭いだ。殺されると思った。私は死を意識した。でも、死んでも処女は守る。死ぬなら処女で死にたい。
手がショーツから抜かれた。
失神直前のところで呼吸の経路が解放された。鼻と口から思いっきり酸素を吸い込む。痰が絡んでゲホゲホ咳き込んだ。それでも喉からヒューヒューと音がするくらい勢いよく呼吸をする。冷たくなっていた指の先が徐々に感覚を回復していった。死が私から離れていく。よかった。私は生きている。
そのあと、二つの手のひらが私の全身を撫でて行った。特にお尻と性器まわりは、肌の健康状態を確かめるように撫でられたり、掴まれたり。柔らかさを確かめるように押されたり、つねられたり。ヘアの毛質を調べるように引っ張られたりよじられたり……。それはあたかも躰の隅々までスキャンするようでもあった。
「はっ! ぐっ! いやっ!」
針で指すような痛みは、下の毛が抜かれているのだった。
「や、やめて! あひっ! うっ!」
全部で10本くらい抜かれた。一体この強姦魔は何が目的で陰毛など抜くのだろうか。明確な目的があるのだろうか。カサカサっと薄いビニールが鳴った。採取されたのだ。私の陰毛がビニールに入れられている。
もともと陰毛が薄いのに、10本も抜かれたらハゲになってしまう。イヤだ、そんなのゼッタイいやだ……。でも、もう抜かれてしまったものはどうしようもない。陰毛って抜かれたらまた生えてくるのだろうか。
「ふむむん……」
くちびるに生暖かくて柔らかいものが落ちて来た。そして吸われた。
え? キス?
「かわいい……」
お、お、女⁈ この声は明らかに女だ。
フミカではない女の甲高い声……。正体がばれないように装ったアニメ声。男子にはあんな声は出せない。
だれ? このみちゃん? このみちゃんなの? いや、声質が違うような気もする……。
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