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「私たちはね……、メジャーなんか使わない。ボディーにはボディーを。フフフ……。オンナの躰は女の躰で採寸するのよ」
「え……」
フミカが立ち上がった。パタパタと行儀の悪い足音がする。また出て行こうとしているのだろうか。
「腕のいい仕立て屋さんは顧客の身体に手を這わせるだけでいい服ができる。ランジェリーだってそう。長年製作に携わってきた職人は手と躰で直接女体を撫でたり揉んだりするだけでその人に合った素晴らしい製品をつくれるの」
返す言葉がなかった。
スチールデスクから何かを取り出す音がする。
「そんなパンツ、もう穿くのやめて。これからは私たちの作ったランジェリーを付けなさい。まあ、はじめのうちは試作品穿いてもらうことになるけど」
「試作品……?」
「サイズが合わなかったり縫製に難が合ったりするかもしれない。でも、あなたたちまだ高校生だし、カレシいないみたいだからいいわよね?」
そして、どうせ処女なんだから、と吐き捨てるように言われた。
ショーツのサイドが引っ張られた。シャキッ、シャキッと刃の擦れる音が二度響いた。オムツを替えられるようにお尻の下から一枚の布が引っ張り出される。さっき皮を剥かれた所に風が通ってヒンヤリする。
とうとう全裸にされたのだった。それも学校の一室で。いつだれが入って来てもおかしくない保健室で。それも教諭の手によって。
足を捩って股間を隠す。だって、ヘア、薄いからワレメがはっきり見えてしまう。
「サキさん、本当にきれいよ。セクシーなランジェリーであなたを開花させてあげる。いえ、ランジェリーだけじゃないわ……」
フミカの手で双乳が覆われた。指の間に乳首が挟まれる。やっと乳丘から芽を出したばかりの小さな乳首が。
「あなたの性感帯、眠っている……。せっかくいいもの持っているのに、眠らせておくのはもったいない。アンタの性感帯を全力で開発してあげるわ。だから……」
乳首の先にサワッと何かが触れたとき、一瞬灯がともったような微熱を感じた。
「私たちに任せて」
そう。フミカは「私たち」と言ったのだった。
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