スケバンに囲まれる

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「掴まれてたオッパイはどっちだ?」  キツネ目が頭の悪そうな女ににやけ顔を向ける。 「えーと……」頭の悪そうな女が両手をもぞもぞと動かす。算数の苦手な小学生が指を折り曲げて計算しているような風情だ。やっと当時の状況が再現できたのだろう。 「こっち。えーと、だから……左? そう、左だ、たしか」  キツネ目も彼女の頭の悪さに呆れ、イライラしている様子だ。   「そうか……。で、ジュンくんとはどういう関係なんだ?」  キツネ目は右の乳房を解放した。同じ手で今度は左の乳房に人差し指を食い込ませてくる。ちょうど乳首の上だ。きりきりと押し込まれ、グリグリとほじくられる。鋭い痛みが全身を走る。セーラー服の上から乳首の位置が正確に射貫かれている。得体のしれない恐怖がぞわぞわと湧き上がって来る。 「どういうって……。あ、痛い……。か、借りていたものを返しただけです。あの日で会うのが二度目で……」 「まさか、誘惑しようなんて思ってないだろうなあ? アンタってモテるらしいから‥‥‥」  左の乳首がブラの上からつねらた。 「うっ‥‥‥! い、痛い‥‥‥」 「答えろっつうの!」  つねられたまま、ぐいっと上に引っ張り上げられる。それと同時に左右の(かかと)が上がってしまう。 「イッ!」痛い。ちぎれるように痛い! つきあってるだなんて、そんな……」  背を思いっきりそらせる。ここで踵を降ろしたら乳首がちぎれる。鋭い痛みが後頭部を突き刺す。私の大切な乳首が‥‥‥。 「はうっ!」  キツネ目が躰を寄せてくる。同時に股間に膝が食い込んできた。 「イ、イヤ!」  脚が割られ恥骨にグイグイと圧を加えてくる。股間に押し込まれた膝で一番敏感なところをグングングンと三度蹴られた。ピリッとした刺激が脳を突く。性器に危害を加えられるのは生まれて初めてだ。こわい。冷汗が流れる。 「あなた、ちょっとかわいい顔してるからっていい気になるなよな」 「い、痛い……、あうっ! イヤ……」  三人の長身が壁になり、私が何をされているか周りからは見えない。スカートがまくられ、ショーツの上から膝の硬い骨が当たった。 「ジュンくんは16ホームなんだからほかのクラスのあなたは出しゃばって来るんじゃねえ!」 「うぐっ! い、痛い!」  乳首がさらに捻りあげられ、股間が膝で押される。恥骨にゴツン、ゴツンと何度も当たる。痛いけど、これでもまだ手加減されているほうだ。これが本気で蹴り上げられたらどうなってしまうのだろう。今の痛みより、数秒後に襲い掛かる恐怖を想像する。恐怖でおしっこがもれそうになる。
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