母のまなざし、そして運命の人。

6/15

121人が本棚に入れています
本棚に追加
/266ページ
「常套手段なんだ。アイツらも新人戦で惨めな負け方して、先輩たちから乳首むしられたらしい。かわいそうなヤツらなんだ……」  ジュンくんがぴったり躰を寄せてくる。そして、柔らかく、どこまでも柔らかく胸を揉んでくれる。そういえば桜坂で彼の腕が胸に当たった時もこっち側だった。あはーん。次第に息が上がってきた。どうしよう。興奮していること、ジュンくんにわかってしまう。 「大類なんかさあ……、ああ、大類っていうのはあの目の細い子ね。一年生チームのキャプテンなんだけど、練習試合に負けるたびに罰として先輩に胸の先(むし)られてるらしい‥‥‥」  鳥肌が立つようなエグい話が脳みそをすり抜けていく。快感の酔いが回り出した脳はすでに言葉を理解していない。私は喘ぎ声が漏れないように口もとに手を当てる。 「ホントかもしれないし誰かの作り話かも知れない。でも、ホントならさあ、もう乳首なんて残ってないかもしれないぞ」  幸せなことに私には乳首がある。ちょっと陥没気味だけど、鍼治療ですっかり感度を上げた乳首がある。ああ、もっと触ってほしい‥‥‥。ブラがじれったい‥‥‥。直接‥‥‥、じかに乳首に触ってほしい。ああ、ジュンくん‥‥‥。ジュンくん‥‥‥。 「……でさあ、そのコワーイ先輩の方も『大類さん』なんだ。類が類を呼んで『大類』になっちゃったんだな、きっと。ハハハハハ!」  笑い声と同時に彼の手が離れていく。ああ、行かないで‥‥‥。もっと触っていてほしいのに。もっとこねてほしいのに‥‥‥。お望みなら、カップの下に侵入してきてほしいのに‥‥‥。   潤みかかった目で彼を見上げる。私のくちびるからはまだ吐息が漏れていて、まともに見ることはできなかったけど、彼の表情には性欲とか下心とかいうものが感じられなかった。スケバンに虐められた私のおっぱいがかわいそうで揉んでくれたのだった。
/266ページ

最初のコメントを投稿しよう!

121人が本棚に入れています
本棚に追加