母のまなざし、そして運命の人。

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「ひどいわ‥‥‥」  こんなに私の官能を刺激しておいて、いまさら愛撫を切り上げるなんてひどいわと、ジュンくんに講義したのだった。もっと触ってい欲しい、と言いたかったのだ。なのに、 「だろ? ひどいだろ? バレー部なんかやってると、将来子ども産めなくなっちゃうぜ‥‥‥」  そうじゃなくて、と私は抗議したかった。だが、彼には伝わっていないようだ。 「あ、でもね、それ、たぶん都市伝説だと思う。まあ、そういう噂も男子部員の間では徘徊しているってことさ。で……、美浜さんのオッパイはさあ……」 「え? 私のオッパイ?」  彼に揉んでもらった方の胸を見下ろす。愛撫がもっと欲しい欲張りの乳房を見下ろす。 「オレが守るから……」  子宮の中で炭酸の泡がはじけた。プツプツっと。 「え? 私のオッパイは……ジュンくんが?」 「そう……。守らせてほしい、オレに!」  ジュンくんに後ろ抱きにされた。 「オレじゃ、不満か?」  くちびるが耳にくっつきそうなほど近くで彼がささやく。 「あ、ありがとう……。守って……ほし、い……、ジュンくんに」 「絶対守るから……」  躰の小さな私は、今ジュンくんの大きな躰にすっぽり包まれている。後ろから回された両手に二つのふくらみが包まれたその安心感は圧倒的だった。男の子にオッパイを触られているのに、全くいやらしい感じはしなかった。父なるもの、親なるものの懐に抱かれている、絶対的な安心感だった。  このまま時間が永遠に流れてくれたらどんなにかいいだろう。彼の広い手のひらで乳房が守られながら永遠を漂うことができたらどんなに幸せだろう。  私は自分の乳房を優しく覆い、時々すくい上げたり揉んでくれる彼の手の上に自分の手を重ねた。ジュンくんはオッパイの柔らかさを感じ、私は彼の手のたくましさを感じている。  ──ああ、ジュンくんとセックスしたい‥‥‥。  とんでもないことが私の頭にひらめいた。ジュンくんにもっと深く私のを知ってもらい、私も彼のをもっと受け入れたいと思ったのだった。そして、そんな思いがやがてはセックスとして結実することを本能的に感じ取ったのだった。
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