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私の脚をまたいで勢いよくベッドから降りたこのみちゃんは、床に立ち勢いよくショートパンツと下着を降ろした。もう私の前で何度も繰り返されてきた光景。私のとは比較にならないほど濃くて広い翳り。剛毛の合間から透けて見えるワレメの周辺は色が濃い。ワレメからはみ出し気味のビラビラは、熟してパックリ割れたザクロを想像させ、卑猥な感じがする。彼女は優越感に浸ったように、それを私に見せつける。
──「価値」かあ……。
見ているだけじゃその価値はわからない。このみちゃんの性器を使っている阿久津先輩にしかわからない価値だ。ふたりはどんなセックスをし、そこに阿久津先輩はどんな価値を見出すのだろうか。それは私には未知の世界だ。
今日の彼女の選択は保守路線のようだ。相変わらず腰紐へのこだわりは強いが、アンダーヘアが隠れるほどの面積はある。しかし、透けている。野性的な翳りはシルクの薄膜に覆われるとフェミニンさをまとう。どうしても外に漏れ出てしまう野性を上品に見せたいという女心さえ透けて見えるのだ。
私はベッドに座ったまま腰をひねりながら着古した下着を下げ、輝くようなシルクショーツに脚を通す。シルクさえまとってしまったら、私の幼いその部分もこのみちゃんと同等になる。赤ちゃんみたいにピンク色の性器がこのみちゃんにじっと見つめられる。口元が緩み今にもよだれが垂れて来そうになっている。
その瞬間、私の性器の価値がこのみちゃんに吟味されていることに気づいた。
二人ともお臍の上までのショート丈のキャミソール。私は白でこのみちゃんは黒。その下で個性を発揮するパンツをお互いに鑑賞しあう。
ショーツを選ぶときジュンくんのことを考えていた。ただの知り合いなのか、婚約者なのかわからない彼。会いたいのに会えない彼。バレー部のスタイル抜群の女の子とイチャイチャしているんじゃないかという疑いが頭をもたげる。そんな内面的葛藤が私にこんな大胆なショーツを選ばせたのだろうか。噂の女子に彼はどんな価値》を見出すのだろうか。私はそれを凌駕することができるだろうか。それほどの価値が私の躰にあるだろうか。
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