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「……してる?」
口付けも、柔らな肢体を求める指の動きも、完全に止める事は出来なかった。
どちらも継続したまま、問いをぶつける。
「俺を試してるの、泉夏?」
こんなにもその気にさせておきながら、直前で素気無く突き放してくる。
彼女の一挙手一投足に、乱されまくっていた。
右往左往する様が楽しいとか、まさか思われてたりするのだろうか。
彼女はそんな事をするような人間ではないと、すぐに考え直す。
よく分かってる。
でも。
だけど。
他に思い当たる節は、もうなかった。
「ためす……?」
不審そうに泉夏が訊き返せば、間髪入れずに秀王は続ける。
「『して欲しい』とねだったかと思えば『違う』で。『もっと』言ってきたはずなのに『待って』なんて。泉夏は俺が戸惑っているのを、面白がってたりするのかなって」
「そんなのしてな……、っ」
驚きに目を見張る泉夏の隙を突き、秀王はその唇を強引に塞いだ。
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