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「お昼はどこに食べに行こうか、そろそろ相談したかったの。でも本に夢中になってるところに声をかけるのも悪いかなって」
壁に掛かった白い時計を見れば成程確かに、正午を少し過ぎていた。
彼女の無言の訴えを察知出来なかった自分を、申し訳なく思う。
後ろめたさも含みながら、秀王は泉夏の腰を抱き寄せた。
未だ自分の首筋に縋る彼女の太股に触れ、持ち上げてやるようにしてやればその身体が震えた。
「お、重いし」
彼が望んでいる事を瞬時に理解した泉夏は躊躇するが、秀王は笑ってまるで相手にしない。
「泉夏をそういう風に思った事、一度もないよ」
「……パンツ、見えるし」
「ぎりぎり大丈夫だよ。多分だけど」
「多分じゃだめ」
「大丈夫」
どうにか断る方向に持って行きたかったのに、あっさり一蹴される。
断言され、更に彼にしては強引に脚を引き寄せられる。
もうそうせざるを得なく、泉夏は覚悟を決めた。
羞恥に染まりつつ、泉夏は秀王の膝の上に跨って座った。
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