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「……は、はずかしい。です」
面と向かっては到底無理で。
先程と同じように両腕を彼に絡め、顔を見られないようにする。
「近過ぎるから……とか?」
泉夏を抱き止めながら、秀王は尋ねる。
「先生が近くにいれば、そりゃ恥ずかしかったりもするけれど」
『そんな事で?』といった類の疑問符を多少なりとも含んだ声に答えるべく、泉夏は続ける。
「あ。もしかして、下着が見えてる事?」
何気ない秀王の一言に、泉夏は我に返る。
彼に抱き付いているって事は、スカートから手が離れたからで。
つまり今は『見えている』。
「やだ、先生。エッチ……!」
例え何度も見られた事があるとしても今はそういう時ではないので、女として恥じらう心は捨て切れない。
慌てて両手を彼から離そうとしたのだが、それは不可能だった。
正しくは少々強めに抱き締められて、身動きがとれなくなってしまった。
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