男女間の思考の相違

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「見えてないよ。……って言うか、厳密には見えない。泉夏とこうしてる限り」 ーちょっと、残念だったりもするけれど。 彼の温かな吐息が耳朶にかかる。 もうかなりスカートが捲れているのは、肌に触れる空気の感触で分かった。 ぎりぎりか、あるいはほぼ。 恥ずかしさの極みであったが確かに彼の言う通り、ふたりで抱き合っている限りは体勢的に見られる心配は殆どなかった。 「先生とこうしてるの、恥ずかしい」 気恥ずかしさと心地良さが混在した気持ちで、泉夏は告げる。 「重くない?」 官能の波に呑みこまれている際は、そんな事を考える余裕すらない。 でも今は年頃の女子大生として、やはりここは念を押しておきたい。 「こんなに細い身体で。こんなに折れそうな腰で。どこをどうしたら、泉夏を重いだなんて思うの?そんな泉夏ですら支えられないくらい、俺が頼りないと思われてるのかな?」 自分を抱く彼の身体が揺れ、泉夏は急いで否定する。
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