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「先生がどうのじゃなくて、私の問題。……その、こんな風に乗っかっちゃって、ほんとごめんなさい」
「だから思ってないよ。もしも万が一、泉夏の事をそう感じてたとしたら『こうして欲しい』とは言わないよ」
「……うん」
「そもそも、泉夏に乗られるのは初めてじゃないし。何度も経験してるから、泉夏が重くないのはもう知ってー」
「わー!だからそういう発言はもういいからっ」
泉夏はより一層力を籠めて、秀王に抱き付いた。
いつまでもこうしてるからいけない。
どこに食べに行くか早々に店を決めてしまおうと、泉夏は急いで秀王に尋ねる。
「先生は何が食べたい?」
「お昼ご飯?」
「そう。昨日の夜はお肉食べたから、今日は軽めのものが」
ー食べたい。
開いた泉夏の唇は次の瞬間、秀王によってそっと塞がれた。
去り際にほんの僅かに下唇を食まれ、甘い痺れが全身に巡る。
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