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「あの……わたし、エレノア・マリー・ローフォードと申します。あなたは?」
エレノアは、取りあえず名乗っておく事にした。これからお世話になるだろうから。
「ヒューゴだ。ヒューゴ・シリング」
「ヒューゴ様……」
「ヒューゴでいい」
「ヒューゴ……」
ヒューゴは前を向いたままぶっきらぼうに答えた。
「とにかく川を探そう。もしかしたら町が見つかるかも知れない。俺のそばを離れるなよ」
「分かりました」
言われてエレノアは、ヒューゴのマントをつかんだ。
「何をしている?」
ヒューゴがけげんそうな目でエレノアを見ている。
「え? 離れないように……」
「とんだお姫様だな……。まぁ、いい」
そう言って、ヒューゴは足を進めた。
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