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肉片はたき火で焼いてくれた。味付けは塩だけだったけれど、お腹は満たされた。
(ウサゲさん、ごめんなさい。ありがとう)
ヒューゴにもお礼を言おうと、改めて彼を見ると服がかなり汚れていた。ウサゲを獲ったりさばいたりして汚れたのだろう。
「ヒューゴ、ありがとう」
エレノアは服や体の汚れをとってやり、ついでにずっと気になっていた頬の傷も癒してあげた。
「すまないな」
「昼間はごめんなさい。殴ったり、電流なんか流したりして……」
「ん? あぁ、そのことはいい。さ、もう寝ろ」
あっさりとした答えだった。気にしていないみたいで安心した。
「ヒューゴは?」
「俺は危険な獣が来ないか見張っている」
「そうですか。じゃ、後で代わります。起こして下さいね」
「あぁ」
エレノアはローブのフードを目深に被り、葉っぱを集めてその上に寝転がった。寝転がっているとヒューゴが自身のマントをかけてくれた。
「ありがとうございます」
エレノアはヒューゴのマントを引き寄せた。今日、守ってくれた人のにおいがして、安心した。
(一人だと絶対眠れなかったろうし、もしかしたら死んでたな)
疲れていたエレノアは、葉っぱの上ですぐに眠ってしまった。
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