夜の森

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 杖の先に付いている宝石が強く光った──!  光はエレノアを中心にして瞬く間に広がっていく。 (何これ!?)    すごい威力だ。エレノアの能力を遥かに越えている。広範囲に、しかも、昼間の森よりも明るい。 「もやが消えた……?」  ヒューゴは唖然として剣を下げた。 「ヒューゴ!」  エレノアは光を保持したまま、ヒューゴの剣に光の魔法をかけた。 「お願いします。残りを斬って下さい。剣が光らなくなったら、こちらに来てください。魔法をかけ直します」 「分かった」  エレノアはミアズマが寄ってこないよう、少し離れた場所からヒューゴを見ていた。  ──この人は強い。危なげなく見ていられる。    だが、敵の数が多い。ヒューゴでも勝てるか……。 「──ヒューゴ!」  ヒューゴの背中にミアズマの腕が伸びていく。   「危ない!」  エレノアは氷の壁を作って、ミアズマの攻撃を防いだ。 * 「くっ! キリがないぞ」  魔法が切れたヒューゴが戻ってきた。もう何度目だろう。  ミアズマはどんどん湧いてきている。どこから? なぜ!?   あっという間に形を成したミアズマに囲まれてしまった。 (どうしよう、もうダメだ! ……どうすることもできない) 「ごめんなさい……ヒューゴ……」  ローフォードに帰ったら友達になってもらいたかったのに……。  エレノアが覚悟を決めた時、足元に光の渦が出現した。  ──それは膨れあがって二人を包んだ。
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