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──今日も来てくれた!
彼がカーテンを開けると、朝の柔らかな太陽の光がわたしを照らす。
「……おはよう。今日はいい天気だ」
彼はベッドサイドにある椅子に腰かけて、昨日の出来事や今日の予定を話してくれる。
時折、わたしの髪を優しく撫でながら。
「敷設の工事は順調だぞ。もうすぐ帝国まで繋がる」
彼は大変だと言っているが、声が弾んでいる。きっと楽しんでいるに違いない。
話が終わると、わたしの手の平は彼の頬に当てられる。いつもこうだ。
そして……
優しい口づけが落ちてくる。唇から注ぎ込まれる愛にわたしは満たされていく。
「じゃ、行ってくる」
手が離れた。離してほしくない。ずっと握っていてほしい。
──あぁ、行かないで。
彼の背中を追いかけたい。でも……!
明日も待ってる。待ってるから…………。
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