68人が本棚に入れています
本棚に追加
「大丈夫か!? フィンレー!」
追い付いたヒューゴだった。
「ヒューゴ! エレノアがっ!」
エレノアの顔を見たヒューゴは、一瞬にして沈痛の表情を浮かべた。
「……眠ってしまったのか?」
ヒューゴは震える手でエレノアの頬に触れた。
「──っ!?」
頬の冷たさに驚いたのか、ヒューゴはすぐに手を離した。
「そう……だと、いいが……」
竜のバージルが涙を流してつぶやく。
「まさか……」
ヒューゴはその場にくずおれ、涙を浮かべた。
──降り注ぐ光りは柔らかく、エレノアを照らしている。
だが、涙に暮れる三人には、エレノアが見えなかった。
ただ互いの慟哭が聞こえるのみだった──。
最初のコメントを投稿しよう!