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 エレノアの腹の奥深くにフィンレーの魔力を帯びた劣情の塊が注ぎ込まれた。それは快楽の波となって全身を巡る。 (んん──っ!)  間接的には目をつむってきた。健康な男性だから。だけど、こんな状況で直接的にくるとは! (バカ! 最低──! ん?)  エレノアは唇がピクリと動くのを感じた。意識して動かしてみるとやはり少しだけ動く。  今度は全神経を唇に集中し、力を込めて動かしてみた。 「ふ……、ん、れ」  少しだけ声が出た。だが、フィンレーはまた中に入ってきて、少しも気付いていない。 (最低なんですけど……)  再度、エレノアにフィンレーの欲の塊が注ぎ込まれる。 (──ああっ……!)  満足したフィンレーはエレノアを抱きしめ、隣に横たわったようだった。 (んん??)  今度は手の指が動いた。エレノアの全身は温かくなり、体の感覚がはっきりとしてくる。 (──! これは!?)  わずかに光を感じるだけだった暗い視界が少しだけ明るくなった。 (人の肌?)  すうすうと呼吸音が聞こえて、かいだことのある大好きなにおいがする。  ──フィンレーだ!
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