昼の森

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「おい! いつまでそうしている! どけ!」 「ん?」  エレノアは人のお腹の上に乗っていた。さっきエレノアを追いかけていた赤いマントの男だ。 「わわわ、ごめんなさい!」  エレノアは慌てて男から離れた。男は不機嫌な顔で服に付いた土を払っている。 (どうしよう!? この人、わたしを捕まえようとした人だ。逃げるべき? でも敵とは言え、この森に残したままでいいの? 連れてきたのは、わたしのようだし……どうしよ……) 「おい! ここはどこだ?」 「知りません……」 「は? 知らない!? お前が飛ばしたんだぞ!?」 「わたしは転送ゲートまで飛ぶつもりだったんです! あなたに追われてね! でも気が付いたら森の中でした……」 「ローフォードに帰せ!」 「……できません。ここがどこか分からないし、むやみに魔法を使っても、わたしの実力じゃ、また知らないところに飛ぶだけだと……」 「チッ!」 (えっ!? 今、舌打ちした!? 怖っ! この人、怖っ! やっぱり逃げよう!)
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