恋?

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恋?

今日は待ちに待ったデートの日。カレンダーにはたくさんのバツ印が付いている。今日の部分には『date』と書いてある。その周りを花の輪郭で飾った。 まずはおしゃれをすることにした。 外に出かけた。 そして服屋に着いた。 久々に服を買って意外と高いことに驚きつつも彼女のためとかっこいいのを選んだ。 まだ家には帰らず大型ショッピングセンターに行った。あまり来たことがなかったので中がどうなってるのか分からなかったがプレゼントを買うことができた。中で服を売っていたのは誤算だった。ちょうどセールの日だったらしい。 家に帰るついでに床屋にも寄った。 家に帰ってからすぐさま風呂に入って清潔感のあるよう丁寧に洗い髪を落とした。 夕方になった。 家の固定電話が鳴る。 『二名様でご予約の──』 レストランからの電話だった。 なかなか美味しいレストランらしい。少々値は張るが。 時計を見ると5時になりそうになっていた。俺は急いで家を出た。 待ち合わせ場所に着いたのは5時10分だった。 彼女はまだ来ていないようだった。 ──流石に一時間前に家を出るのは早すぎたか。 そう思い始めた頃後ろから誰かに叩かれた。 彼女だった。 「お待たせ。待った?というか早いね。私もだけど」 こんな展開をどこかで見たことがある気がする。 「大丈夫今きたばっか。いこ」 少しばかり声が震えている。 それから少し歩いて映画を見に行った。 映画を見に行ったのは失敗だったかもしれない。 映画が全く頭に入ってこず、彼女に感想を求められて返答に窮した。 そしていよいよフィナーレ。 ディナーの時間だ。 確かに高級そうな店内だった。 少し高いところにあるのも一致している。 「お待たせいたしました。こちら生サーモンと西洋わさび和えサラダでございます」 思わず心の奥で、何だそれは、と思ってしまう。 食べてみたが味が全く感じられなかった。 これも彼女といることで感覚が麻痺してしまっているのだろうか。 そのままよく味のわからない料理を食べてプレゼントを彼女に渡し、その日のデートは幕を下ろした。
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