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さあ、どうなんでしょうねえ。最近は、無視という感じでもないんです。
いないんですよ、私は。
彼女たちの世界に。
だってね、妻の隣には、新しい夫がいるんですから。
娘もね、以前は躊躇いがちでしたが、今ではその男のことをお義父さんって呼ぶんです。
ええ、私の目の前で、ですよ。
そんなことが、まともな神経で出来ますか?
やめてください、私がどう言われようと構いませんが、妻と娘は、きちんとした人間です。
しばらくはね、眺めていましたよ、私の目の前で新しい家族を築きあげていく彼女たちを。
赤いシャツは猫いらず、眼球を三つばかり飲み干せよ!
ねえ、あなた、聴いてますか? 私の声、聞こえてますか。
そう、しばらくは眺めていたんですがね、このままでは、取り返しがつかないことをしてしまいそうで、見知らぬ男がいるときは、家を出ることにしたんですよ。
それでね、あなたに会ったわけです。
溶ける揚羽蝶はパリの名代、小豆色の下仁田ネギで頭を掻き交ぜろ!
そう、あなたを見つけたんです。
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