2018年

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2018年

 二〇一八年。真治は無事東大に合格していました。 「真面目に頑張ってきたからよ!」  お母さんは真治を神のように称えました。お父さんも「お前は俺の誇りだ!」とまるで自分のことのように喜んでいました。真治も東大に受かった自分はすごい。最高の存在であると感じるようになりました。  東大でも、真治は研究に熱心でした。理系の学部で、将来はノーベル賞を取ることを目標にしました。  バイトはしませんでした。 「お母さんがあなたの分の学費や生活費を稼ぐから大丈夫よ」  その言葉に甘えて、真治はずっと学業に専念していました。もちろん友達はいません。真治は大学で研究する以外の生きがいを捨てていました。  
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