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2022年
二〇二二年。真治は東大を止めて芸人さんになりました。きっかけは、たまたまテレビで見たピン芸人さんによるお笑いグランプリです。一生懸命人を幸せにする仕事を見て、真治は「これだ!」と目覚めることができました。奇跡的な出会いに、真治は感謝しました。
今はまだまだひよっこですが、頑張ってライブ活動をしています。本日はカレー屋さんにて、ネタを披露するそうです。上半身裸で、髭を描いて、頭に風呂敷を巻いて、そしてもちろん菜箸を持って。
「どうも、菜箸マンです。よろしくどうぞ。
僕はもともと東大生だったんですよ。真面目しか取り柄がないから、せめて大学くらい優秀なところに行かないといけないと思いまして。
だけどね、本当は真面目じゃないんです。真面目の仮面を被って、真面目なふりをしていただけなんです。優等生を演じていただけなんです。本当はこうやってふざけた格好をしてふざけたことしていないと生きていけないんですよ。人と合わせるとか、世間体を気にするとか、僕にはできません。
ああ、もちろんお母さんとは絶縁しました。くっついていた割り箸割っちゃったみたいに、永遠にくっつきません。でも、別にいいです。今の方が幸せですから。ありのままですから。
まあ、そんなわけで菜箸マンとして今日も箸を振らせてもらってます。箸にも棒にもかからない存在ですけど、温かい目で見てやってください。それでは、菜箸マンのショートコントです」
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