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2006年
二〇〇六年。真治は小学生になりました。みんなと同じようにランドセルを背負い、道具箱のなかに文具をしまい、通学帽子を被り、体操服を着ました。あまりにもみんなと同じだから、「こんなの嫌だよ」と言うと、お母さんに「うるさい」と叩かれました。そして、「それが当たり前なんだ」と厳しくしつけられました。真治は「みんなと一緒が正しい」と認識しました。
学校では平仮名を教えられ、算数を教えられ、図工で貯金箱を作らされました。体育では鉄棒をやらされました。縄跳びも持たされました。真治は嫌だなあと思いながら、頭の中で箸のことばかり考えていました。しかし、ぼうっとしていると先生が頭を叩いてきました。
「竹山君、もっとしっかりしなさい!」
鬼みたいな顔をする先生を見て、真治は心底不思議に思いました。だけど、
「何で?」と言うとまた殴られる気がしたから、「はい」と返事をしました。
真面目に生きましょう。先生の言うことを聞きましょう。みんながやっていることをやりましょう。真治はそんな言葉をインプットしました。
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