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と返信し、椎名と瀬戸の授業に対する評価を最低にし、小さな反発をしながらも、三人分の出席カードを提出した。
* * * *
「どうよ、大学生活は?」
周斗が微笑みながら尋ねた。
久しぶりに会う史也と周斗は相変わらずの居心地で、肩の力が抜けた。大学入学後はじめて、気楽に話すことが出来た。
「ぼちぼちかなー、結局サークルには入らなかったよ。大学生ノリって俺合わないかも。周斗は?」
「俺もピンとくるのがなかったなー。バスケとかオーランとか色々体験は行ったんだけど、なんかね」
どうやら二人とも、大学生活に苦戦している様子だった。
仲間を見つけた安心感とともに、自分が居心地良いと思っている人が皆辛そうだと、考え方そのものが否定されているようにも思えた。
史也と周斗とは幼稚園からの幼馴染で、家族ぐるみでも仲がよかった。
お互いがお互いに似た何かを感じ、このタイミングで仲良くなったというのが思い出せないほど、自然と仲良くなっていた。三人で作り出されるノリは、三人の中でしか伝わらないことも多く、周りを寄せ付けないこともよくあった。
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