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……ん? あれ、どうしてだ?
どうして部屋は暗いのに、里織の靴があるんだろう? それに……僕のではない靴が置いてある。
里織は帰っているのかな? 帰ってきて、もう寝てる?
だとしたら不用心だよ、里織。ちゃんと鍵を閉めないとダメだよ。
そんなことを思いながらそっとリビングに行ってみるけど、やはり部屋は暗く誰もいない。
トイレもいなくて、バスルームにもいない。
「あれ……いない?」
いや、そんな訳ない。あれは里織の靴だ。
里織は帰ってきているはずだ。いない訳はない。
「まさか……」
里織はベッドルームにいる? でもだとしたら、あのもう一人の男性の靴は誰のだ?
あれは僕のものでは無い。サイズだって明らかに違っていた。
僕は部屋の一番奥にあるベッドルームへと、足音を立てないようにそっと向かった。
あれ……少しドアが開いてる? やっぱり里織がいるのだろうか?
「……ん?」
なんかちょっとだけど、声が聞こえる……? これは里織の声だ。
誰かと何か話しているのか……?
そして僕は、そっと部屋のドアから覗くようにその様子を見てしまったーーー。
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