結婚二年目の決意

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「私が……間違ってた」  里織はようやく、自分のしたことの罪の重さを分かってくれたようだ。 「私はあなたに甘えてただけだった。……全部あなたのせいにして、自分を可愛がってただけだったんだって気付いた」 「……里織、僕は……」  里織は僕に本音を話してくれた。 「あなたは悪くないのに、あなたのせいにしようとしてた。……ごめんなさい、本当に。あなたは私をこんなに愛してくれてるのに、私は欲張りになってしまっていたんだね」  里織の言葉に、ウソなんかないと思えた。これが里織の本音、里織の本当の言葉なんだって思えた。 「大輝……私たち、離婚しよっか」 「……え?」  里織のその一言に、僕は驚きを隠せなかった。 「大輝を苦しめてしまったのは私だし……私はもう、大輝の妻でいる資格なんてないから」 「……里織、ちょっと待ってくれ」  僕は……僕の答えは違っていた。 「このままじゃ私は……大輝をダメにしてしまいそうなの。 散々苦しめてきたから、もうあなたをこの苦しみから開放してあげなきゃって、そう思った」 「……里織、僕の話を聞いてくれる?」  僕は里織にそう問いかける。 「……なんで?離婚、するんでしょ?」
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