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遡ること数か月前。
「村上...」
晴翔が目を擦りながら瞼を開いた。
「はぁー、おはよう」と晴翔があくびをした。
「おはようって。ほら、早く帰れよ」
晴翔は席から立ち上がり、颯太の方へと向かった。
「なぁ」と颯太の手を取り、唇にキスをした。
颯太が唇に手の甲を当てた。
「村上...」と目をトロトロとさせていた。
「その顔、マジで反則だよな」と舌を颯太の口の中に入れた。
抵抗しようとしている颯太を机に押し倒した。
「離さねぇ。俺、先生のこと本当に好きだから」と晴翔が真剣な眼差しで颯太を見つめた。
俺の名前は村上晴翔、高校3年生。
授業に出て、友達と話をして、それから帰宅することの繰り返し。
学校が終わったら、おっさんたちとセックスして、金貰って、まぁバイトみたいなものだ。
マジで毎日同じことの繰り返しでつまらないと思っていたけど、ある日楽しくなるおもちゃがやってきた。
「今年から異動してきました、颯太です。精一杯、皆さんの力になれるように努めて参りますのでよろしくお願いします!」と颯太が頭を下げた瞬間マイクに頭をぶつけた。
全校生徒の笑いの渦に包まれていた。
晴翔は腕を組みながら、颯太を見つめていた。
それから異動してきた颯太は、晴翔のクラス担任になっていた。
「改めて、亘颯太です!皆さんと仲良くなりたいと思ってます。元気はある方だと思います...たぶん!質問とかあれば、なんでも答えます!」
はい!と一番最初に手が上がったのは、クラスの盛り上げ隊長である佐久良大樹だった。
「はい。えっと...、佐久良くんだよね?」
「そうでーす!佐久良大樹でーす!先生は彼女とかいますか?」
直球な質問に颯太はびくつかせていた。
「先生~?どうなんですかー?」と佐久良が聞く中、陽翔が立ち上がった。
「もしかして、童貞だったりして」と晴翔が言うとクラス全員が笑い出し、陽翔は颯太の反応を見て笑っていた。
「えっと、恋愛に関してはプライバシーなのでお答えできません」と颯太が言うと晴翔がつまんねぇとボソッと呟いた。
「先生!大樹馬鹿なので流して下さい。ってか、僕からも質問良いですか?」と発言したのは、前田良平だった。
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