霊媒師 夕霧弥生 第三章 リンの目覚め

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「ようやった夕霧、炎の剣、リンそして夕霧が 三位一体となれたのじゃ、見事じゃったぞ」 「師匠、ありがとうございます」 「スゲェ〜、夕霧お前スゲェな! ホレ、水飲め死ぬ程喉渇いてんだろ」 「ライありがとう」 冷たい水をゴクゴク飲んで、ホッとした 「ホンマによう頑張ったなぁ リンの姿見たん初めてや、綺麗やなぁ」 「ライ、ゴン太ありがとう 私嬉しくて泣きそう.....」 「嬉し涙や、思いっ切り泣いたらええんや 感動したわ、俺も泣きそうやで」 「ゴン太もライも優しいんだね、口悪いけど」 「一言多いんとちゃうかぁ、知らんけど」 「うふっごめん、リ〜ンおいで〜」 「ピイ〜」 リンが舞い降り、私の頬に頭を擦り合わせ甘えてくれた 「夕霧、熱ないん?鳥の丸焼きにならへんの?」 「ゴン太、不死身のリンだぞ なんで丸焼きになるんだ!バカタレが」 「アチッ!ああ〜髭焼けたやんか!」 「夕霧はリンの炎の熱さを感じないのか? わしもリンの姿を見たのは、初めてじゃ 古文書には、見た者は誰もいないと記して あったが、本当におるとはのう」 「ええっ!師匠も知らないってマジっすか? あっすみません、本当ですか?」 「私は1000年の間、西条家に仕えて来たが 誰一人として、私を解放する者はいなかった 神棚に祀られたり、酷い時は金庫に入れられた事もあった 紐にくくられ、首輪の様にぶら下げられた事も あった 明治時代に、初めて指輪をはめてくれたが 霊媒師としてだけの、間違った使われ方をされて 密かに私は次々と西条家の人達に、渡って行った 私を売ろうとした者もいたな 西条家の血筋の私が選んだ者以外、見えず諦めたが 夕霧のお婆ちゃんも、間違った情報を信じ 夕霧に私を託したのだ」 「そうだったの?ごめんねリン」 「夕霧もお婆ちゃんも悪い訳では無い 最初に私を見つけた者が、間違った情報を 時代と共に尾ヒレが付き、ずっと伝えられて来た ただ、それだけの事だ」 「そうじゃったのか、1000年もの間よう耐えた さぞ、辛かったであろう リンよ、炎を消す事は出来るのか? 熱くてたまらん」 「気づかず申し訳ございません、師匠」 リンは変身した、すると又余りの美しさに驚いた 頭から首は濃い緑色で、額から3本の長い金色の 羽根が先端だけに付いている 目の周りは黄色と赤、目の色は黒く 丸く澄んだ目がキラキラしている 体は薄いブルーで、胸からお腹は赤色 羽根を広げると七色、閉じると薄いブルーで 長い尾は赤と黄色とブルー 尾の長さは体の5倍位ありそうだ 「リン、なんて綺麗な子なの?」 私はリンを抱き締めた リンも羽根を大きく広げ、抱き締めてくれた
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