霊媒師 夕霧弥生 第三章 リンの目覚め

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風呂場に着くと、大きな湯船にタップリの湯が 溢れていた 「リン、私がシャンプーしてあげるね ライが手の傷に触れて、一瞬で治してくれたの ライって魔法使いかな? ほら、傷ないでしょ」 「いや、夕霧にそこ迄して貰うのは申し訳ない それに人間になって、ゆっくり入りたいのだ」 「人間?何にでも変身出来るって凄いね」 シャンプーをし体を洗い、お湯に浸かりながら リンに聞いた 「ふぅ〜気持ちいい〜 お風呂は最高だね、リンは人間だったの?」 「仮の姿だ、夕霧だけにしか見せられない姿だ 手足を伸ばすのは、気持ちいいものだな」 人間の姿になったリンは 色白美肌の美しい女の子だった ライと同じ18歳位に見える 「凄く綺麗だね、髪は青なんだ」 「鳥だからな」 「どうして男みたいな話し方するの?」 「ナヨナヨした話し方は、好きではない」 「そうなんだ、あんなに美しい鳥なのに意外と クールなんだね」 「普通だが」 「指輪に何故、誰が封印したの?」 「分からぬ、ただ3つの指輪を誰かが創り それぞれの選ばれし者に見つけさせ、悪霊、霊魂の成敗を命じられたらしいが、誰かは記憶にない 私がその相手を選ぶのだが 今迄と違うと確信したのが、夕霧お前だった だから、ビナにテレパシーを送ったのだ」 「あの、ビナさん?そうだったのテレパシーか リンに呼ばれて来たって言ってたっけ ごめんねリン.... 私が鈍くて本当にごめんね」 「気にするな、こうして夕霧は私を封印から 解いてくれた それで十分だ夕霧、私の目に狂いはなかった 礼を言うのは私の方だ」 「ありがとうリン でも、風と雷と火....水は? 指輪3つっておかしいよね、もう1人いるのかな?」 「夕霧が水だ」 「いや、私は火だよ」 「夕霧、夕日はなんだ?」 「夕日は太陽が東から昇り、西に沈むから太陽」 「そうだ太陽は何で出来ている?」 「火?ええっ、だから火を使えるの?」 「霧は?」 「ええっと細かい水滴になるよね 傘さしても濡れるもんね、って事は水?」 「夕霧の名前は、自分で選んだ筈だが」 「うん、大分悩んでね、それが何?」 「火と水、そして西条は西の夕日、霧は水」 「つまり、夕霧の名前は最初から決まってた? 私の名前は知らず知らず、選んだって事?」 「そうだ、そして弥生と言う名前は 私が創られた、弥生時代1700年前だ 700年の間、私はずっと岩山の中で眠っていた」 「ええっ嘘〜」 「これで分かったか?選ばれし者、夕霧弥生 さあ、上がるぞ」 「ええっ、あっ、お風呂ね分かった」
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