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「人によっては相手を手に入れるまでは、あなた色に染まります~みたいな態度で近寄って行く人もいるのかもしれないけど、付き合ったり結婚したりしたら、ずっと自分の素の状態を隠して演じ続けて暮らすなんて、きっと耐えられないと思うんだよね。一緒にいることで変わっていくこと部分も出てくるだろうけどさ。
とはいえ全部は無理でしょう?
相手の性格とか行動パターンに合わせてあげたり、ある程度諦めみたいに仕方ないな~ってなる部分は出てくる所はあるだろうけど、何でも相手の好みとか言う通りって耐えられない気がする。
きっと自分なりのものっていうか自分の色みたいなのって誰でも持ってるじゃない。生まれてきて数十年?生きていれば自分の元々持っているものってあるからなあ。
そもそも相手が自分の思う通りにどんどん変わっていくなんてつまらない気がしちゃうよ、自分なら。」私はそう本音を話してみた。
「そうですね。相手を好きになる時も、外見だけじゃなくって性格とか考え方とか好きな物とか、相手が持っている特徴に惹かれて好きになることも多いですよね。相手の色を好きになるってことでしょうね」後輩は頷きながら言った。
「うん。だから自分の都合良い様に相手を自分色染めるとか、好かれるために全部相手色に染まろうじゃなくて、相手の色も自分の色も大事にできたらいいなって思う」そう話してみたら、自分の発した言葉が自然と自分に馴染んでいく気がした。そして今日これが一番言いたかったことかもしれないなと思えてきた。
ああ、そうか。友人に話を聞いた時、自分はどうだろうと考えてみて、もやもやした違和感の理由はこれだったのか、と。
「でも恋愛すれば少なからず、恋人と一緒にいるうちに相手から影響を受けて変化がおきるのも面白いし、自分も相手に影響を与えたりもありますね。
友人同士だって影響されることもありますし」後輩も私がしたように色に例えながらそう話してきた。
「一方的にどちらか色に染まるのは怖い気がするけど、一緒にいることでお互いの自分の色が変化するのは面白いね。
そういうのって自分の色と相手の色でまた新しい色を作るみたいで、楽しいよ。相手との化学反応みたいな感じだね。
そういえば会社とか集団でも、構成する人達によって雰囲気って変化するもんね。人と関わることで生み出される面白さはあるよね」
やっぱり、この話は色に例えるとわかりやすいみたいだなと思いながら私はそう話した。
「そうですね。会社自体は同じでも中に所属する人による変化ってありますね。自分と相手がいることで化学反応が起きる、か」
そう言って後輩はうんうんと頷いた。
「うんうん」私はなんだか嬉しくなって、何度も頷きながらにこにこ笑顔になっていた。
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