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「そうですね~。できることなら自分の色は大事にしながらもそれを押しつけるんじゃなくて、お互いに相手の色を尊重して、そして色んな人と関わり合うことで新しい色を作ることも楽しめたらいいですね。
例え苦手な相手でも自分とは違う面白い色を持っているんだと思えたらいいかな」後輩もにこにこしながらそう話した。
「うん。私も本音を言うと、恋人や親しい友達の趣味や好きな物、あとは考え方を知って、良いなと感じたら少し相手の色に染まってみても面白いかなって思えることもあるんだよね。
影響を受けて普段なら選ばない色の服を着てみたり、食べたことのない物を食べてみたり、そんな楽しみもあるよね。変わる楽しみもあるかな。
パクチーが苦手だった私が友達の影響で食べられるようになったみたいにね。
そうやって自分がいいと思う位なら、あえて相手の色に浸食されるのを楽しんでみたりできるのも人付き合いの面白さかもしれないな」
最初は抵抗感が強かったこの話題も、後輩と話しているうちに、自分は人とどう関わりたいのか、何を大事に思っているのか見えてきた気がした。
「相手の色を受け入れられるのも心の余裕といえばそうですもんね。
絶対この色だってなってしまうとその色でしか楽しめないし。
全く違う色合いの相手に自分の色を押し付けたりしかねない事態にもなるかも。
ん~例えば真っ黒の色で、相手のどの色も真っ黒く塗りたくるみたいにしないと気が済まない!みたいなものですかね」と後輩も上手に色を使って相手との関係についての考えを話してきた。
黒ね・・・確かにそれに勝てる色はなかなかないんだろうな・・・真っ黒から他の色合いに変化を感じさせるまでとなると難しそうだ。
「黒は嫌いじゃないけど、強い色で色んな個性のある色を塗りつぶそうって考え方は嫌だな。
パステルカラーとか淡い色とか、色もグラデーションみたいに色んな色合いがあるからこその美しさがあるもんね。そう考えたら相手の色を楽しむ余裕は大事かもね。自分のことに関してなら最終的にはどんな色を作るのかは自分次第だろうけどさ、自分以外の色を知ったことで自分一人だと作れなかった新しい自分色を編み出したりできてるのかも」
自分の色にこだわり続けていたら新しい色の存在にさえ気が付けないのかも。
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