美 和

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美 和

「ねえ、美奈?」 「なあに?美和」 美奈は私を振り返った。 「悠希がオーディションに受かってデビューしたら、私たちって別れないといけないと思う?」 ここ数日ずっと考えていたことを相談してみた。美奈は少し困った顔をして 「う~ん。私にはよくわからないけど、隠して付き合うのはどうかな?デビューしてしばらくはあんまり会えなくなりそうな気がするけど」 「う~ん。隠し通すことって、できるものなのかなあ?」 「う~ん」 私たち二人は考え込んでしまった。芸能界とは無縁な世界で生きてきた私たちに答えが見つかるはずもない。美奈が聞いてきた。 「美和たち、うまくいってるの?美和は悠希が好き?」 「うん。好きだし、うまくいってると思うよ」 「だったら応援する!隠すの手伝う!普段はLINEや電話で話して、どうしても会いたくなったら家で会えばいいじゃない?だって我が家は正真正銘悠希の親戚の家で、万が一悠希が家に来るところをマスコミに見つかったとしても『親戚の家です!』って言えばいいんじゃない?事実だし。同じ苗字の表札出てるし信じるよ」 「おじさん、おばさんは私と悠希が付き合ってること知ってるの?」 「知らないと思うよ。私言ってないし。悠希めったに家、来ないし」 「でしょ?めったに来ない悠希が美奈の家に行くようになって、さらにその日私が毎回お邪魔してたら、それってどうなのかな?」 「親に言わなくていいんじゃない?二人が時間差で家に来て、親に会わないでそのまま私の部屋に入ればいいんじゃない?」 「美奈の家にお邪魔してるのに挨拶しないの気が引けるなあ」 家と美奈の家は親同士も仲良しで、私は小さい頃から美奈のおじさん、おばさんからかわいがってもらっていた。 「うちの両親のことはとりあえず、置いておいて。私が先に家に入って、お母さんとお父さんの居場所を確認して話しかけるなりして二人を引き留めておくから、その隙に美和は静かに玄関から二階に上がって」 「音立てずに玄関開けて、階段上れるかなあ。……」 心配になる。 「じゃあ、庭にはしご置いておくから、庭からはしご上って二階の窓から入る?」 「それ、近所の人に見られたら警察呼ばれるパターンじゃない?」 「あはは、確かに。外からまる見えだね」 「ぜんぜんダメじゃん!」 二人で大笑いして、幾分気分が晴れた。 「まあ、私たち3人で同じアルバイトしていることはうちの親二人とも知ってるから、3人で私の部屋で話していても変に思わないよ。悠希芸能界入ってから芸能人じゃない人と話すのが息抜きになるって言うから美和を呼んだ、みたいに言っておけばいいんじゃない?で、途中私コンビニに買い物とか行って二人きりにしてあげるから」 頼もしい美奈、頼りになる美奈。こうやっていつも私を救ってくれる。感謝しかない。 「ありがとう。美奈」 と言うと、 「えっと~、今欲しいものは……」 「え~!?またあ?この前贈ったばっかりじゃん。アニメイトで買ったイラスト集」 「冗談よ。」 ほんとに冗談で言ってるの、美奈?  「次の二次審査、三次審査を通過して合宿審査に行くことができたら、美和からプレゼントが欲しい」 悠希の部屋に寄った時、書類選考を通過したたという報告とこんなことを言われた。わざわざ聞かなくても悠希が欲しているモノは薄々わかるけれどあえて尋ねてみた。 「何が欲しいの?」 「わかるでしょ。合宿審査に進んだら1か月帰ってこれないから。1か月会えないんだよ。僕の気持ち考えて」 1か月会えないのか。 「電話とかLINEとかで連絡はできないの?」 聞いてみる。 「できないかも……」 悠希は少し考えながら続けた。 「合宿審査の詳細は合宿に進む人にしか知らされないからまだわからないけど、合宿中スマホは預けっぱなしということはよくあることらしい」 という返事がきた。そうか……。彼が追いかけている夢を邪魔するつもりはもちろんない。応援したい。合宿中の連絡は我慢しないといけないな。 付き合うようになって1か月。付き合う前からバイクの後ろに乗せているので、ハグは許している。手をつないだのは付き合ってすぐ。キスをしたのは数日前。それ以上の体の関係は許してない。悠希が先に進みたい気持ちは気づいている。正直なところ先に進みたい気持ちは私も同じだ。悠希が好き。この気持ちに偽りはない。 でも、私たちの恋に未来はあるのだろうか。彼がオーディションに合格したら、彼はボーイズグループのメンバーとして常に多くの女性フアンやマスコミから追いかけられる立場になる。事務所に恋愛禁止を言い渡されたら悠希はどうするのだろうか?聞いてみたいけど、怖くて口に出すことはとてもできない。別れることになるのであればこのまま、体の関係に進まないほうがいいのだろうと思う。 二次審査の前日の夜。アルバイト終わりに悠希の家に寄った。芸事に強いといわれている烏森神社のお守りを渡すためだ。 「ご利益のほどはわからないけど……」 と玄関先で手渡してすぐに帰ろうと思っていたら、手を強く引かれた。 「ありがとう」 腕を引いて玄関に入らされ、強く抱きしめられる。オーディション前で緊張し、不安を感じているのだろう。私も悠希の背中に手を回し、応える。私の存在が少しでも彼がリラックスするのに役立ちますようにと祈った。 「オーディションが終わったら連絡するね」 「うん。連絡待ってる」 「頑張って」とか「悠希ならできるよ」なんて言葉をかけるべきか迷った。逆にプレッシャーをかけてしまいそうな気がして。言葉をかける代わりに顔をあげ、悠希の唇に私の唇を寄せた。  三次審査の日の夕方、夕食の買い出しをして悠希の部屋に向かう。 「夕食の支度をして部屋で待っていてくれたりしない?」と懇願され、合鍵を預かっていた。疲れて帰ってくるだろう。すぐに食べられるように調理を始めるとLINEにメッセージが届いた。悠希からだ。急いでLINEを開く。 「合格した!合宿審査に進めた!美和がくれたお守り、ご利益あったよ」 とあった。全身の力が抜けるのを感じ、私もとても緊張していたことに気づいた。 「おめでとう!悠希なら先に進めるって信じてたよ」 と返事をし、調理をしながら帰りを待つ。三次審査を通過した悠希へのプレゼントの件、心を決めなければならない。お祝い気分の悠希を拒むことなどできるだろうか。私自身本音では望んでいることだ。でも、前に聞いた、本当か嘘かわからない話だけど、男性は愛情のピークは体の関係ができるまで。関係ができると征服欲が満たされるため愛情は薄れていくとか。本当であるならば、ここで関係を持ってしまうとデビューメンバーに選ばれた時にはすでに私への気持ちは薄れていて、別れるという選択肢を選ぶのかもしれない。それが私たちの運命なのだろうか。  考え事をしていたら、鍋がぐつぐつ沸騰していた。考え事をやめないと悠希に焦げついた失敗作を食べさせることになりそうだ。調理に集中することにする。  玄関ドアで物音がした。悠希が帰ってきた。玄関に向かう。 「ただいま」 愛しい顔がひょこり現れた。 「お帰りなさい。三次審査通過おめでとう」 クラッカーを鳴らす。 「わあ。びっくりした。用意してくれたの?」 「うん。今回はミニサプライズだけど、最終メンバーに選ばれた時はまた、別のサプライズするから覚悟してね」 「なんだかなあ。うれしいけど、お手柔らかにね。汗臭いからシャワー浴びてくる」 と言ってバスルームに向かう。 後ろ姿を見送って食事の準備を続ける。バスルームの方で物音がしたなと思っていたら後ろから抱きしめられた。シャンプーの良い香りがした。「ああ、私は今晩、彼を拒むことなどできない」そう思った。でもそんな心のうちは1ミリも表に出さないようにして、 「さ、ご飯食べよ!悠希の帰りを待っててお腹すいた。ぺこぺこだよ。悠希は?お腹すいてない?早く食べよ。ちょっと邪魔だから手をどかして~。」 と冗談めかしながら、彼の腕から身をよじらせて逃げる。  スパークリングワインのミニボトルでお祝いの乾杯をする。食事をしながら悠希は2日間に渡るオーディションの出来事を話してくれた。どういう審査があって、どんな人が受けていたとか、自分の出来はどうだったとか。彼は三次審査で実力を発揮できなくて、後悔が残る出来だったことをしきりに言ってくる。ミスをした瞬間「落ちた」と思ったという。それでも通過したのだから結果オーライではないかと慰める。 そのうち、呂律がまわってないなあと思ったら、首ががくんと下がった。悠希はその場で居眠りを始めた。お酒も回ったのだろう。疲れもあるだろう。 「ちゃんとベッドで寝なよ。ほら。起きて」 と肩を揺らし、悠希の腕を私の肩に回し、椅子から立ちあがらせ、ベッドに彼を移動させる。 「ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ寝るけど、すぐ起きるから、帰らないで!まだ帰らないでね!」 と呂律の回らない口調で言うので、 「はい、はい。いるから。安心して寝て」 と返すと、彼はすぐに眠り始めた。しばらくベッドの傍らで彼の安らかな寝顔を見守る。風呂上がりの悠希に後ろから抱きしめられ、私は気持ちを固めたというのに……。  夕飯の片づけをし、シャワーを借り、悠希のティシャツと短パンを借りてソファで眠る。両親には友達の家に泊まると言ってきた。三次審査に受かって本当に良かった。次の合宿審査までわずか1週間。1か月の合宿の間会うことも、もしかしたら電話すらできないかもしれない。1週間、どのくらい一緒の時間を過ごせるかな?と考えていたら私にも睡魔が訪れた。   近くに人がいる気配で目が覚めた。悠希が私の顔を見下ろしていた。私の目が覚めたことに気づくと私の頬を撫で、優しく 「ごめん。自分がベッドで寝て、美和をソファで寝かせてしまった。まだ起きるには早いからベッドで寝なよ」 という。 「大丈夫。全然ここで眠れる。悠希ベッドで寝てて」 そう言うと、悠希は私の背中と膝の裏に両手を差し込んで抱きかかえようとする。 「え!無理だと思う。落ちる、落ちる!やめて!落とさないで!」 と慌てて言うと 「落とさないよ」 と言い、悠希は私の体を抱きかかえ、ベッドに連れて行った。 「覚えてる?プレゼントのこと」 「何のことかな?」 とぼけてみる。 「三次審査通過、おめでとう悠希って、言って」 「三次審査通過、おめでと。悠希」 「大好きだよ。悠希って言って」 「大好きだよ。悠希」 私は彼が次の言葉を発する前に言った。 「愛してる」 そして私たちは言葉を交わすのをやめ、心のおもむくままに、身を任せた。  1週間後悠希は合宿審査に旅立った。彼のいない1か月、私は彼がデビューした後のことを考え続けた。以前、美奈に相談した時、「この愛を貫こう。何とか隠し通そう」と思った。美奈の協力があれば隠し通せそうな気がした。  渋谷のレコード店に入ってみる。あちこちにボーイズグループのポスターが貼ってあり、たくさんの女性客がそれぞれ自分の推しの写真を撮っている。中学生くらいの若い子もいれば、母親くらいの年齢の女性まで、皆恋する瞳でCDやグッズを手に取ったり、ポスターを眺めたりしている。  等身大ポスターの前で、自分の両手でアイドルの顔を挟むようにポーズをとって友達から写真を撮ってもらっているきれいな女の子がいた。あのポスターが悠希だったら?その時私はどう感じるのだろうか。「私の彼にさわらないで」そう思わないだろうか。私が恋したのはカフェでアルバイトしている年下の男の子だった。もちろん悠希がボーイズグループを目指して子供のころからレッスンを続けてきたこと、オーディションを受けるため上京してきたこと。美奈のいとこの話として悠希がアルバイトに来る前から聞いていた。知ってはいたけど、私たちが恋人同士になるなんて予想だにしなかった。気づいたら恋に落ちていた。加奈子、悠希の後にアルバイトに入ってきた年下のかわいい女の子。彼女の存在が悠希への気持ちを加速させたのだと思う。  大親友の美奈のいとこだから親切にしよう、最初に彼をバイクに乗せた時はそんな思いだった。でも、バイトの帰り道にぐるり公園に寄った時、レインボーブリッジを見つめる彼の横顔に気づいたら見とれていた。彼のすっと通った鼻筋や少し長めのまつ毛にドキッとした。それから徐々に惹かれていったのだと思う。そして加奈子がバイトに加わって、加奈子の指導役が悠希になって、悠希が加奈子とばかり話すようになって……、その姿を見てもそしらぬふりをしていたけれど、内心おもしろくなかった。でも、その時もまだ自分が悠希に恋をしていて、加奈子に嫉妬しているなんて自覚はなかった。「なにかイライラする」そう思っていた。はっきり自分の気持ちを悟ったのは悠希に指摘された時だ。  私と悠希と加奈子三人のシフトだった晩、なんとなく私は憂鬱だった。その頃、悠希は加奈子に仕事を教えるため、バイトの最中はほぼずっと加奈子と一緒にいた。仕事の話。そう思ってもなにか心がいらだつのを感じる。でもここで加奈子や悠希にいらだつのは筋違い。私だって悠希とバイクで帰ることもあれば、一緒にライブに行くこともある。そう自分に言い聞かせてそ知らぬふりをして仕事を続けていた。  閉店時間に近づき、片付け作業に入った頃、加奈子が隣に来てニコニコ話しかけてきた。 「美和さんと美奈さんと悠希君って仲良しなんですね。いいなあ。美奈さんと美和さんが悠希君の保護者みたい。私なんかいつも悠希君に助けてもらってばかりで、美和さんみたいに悠希君をバイクで送ってあげたりとか、悠希君のお世話はできないです~。私が悠希君にお世話してもらってばかりで」 加奈子はニコニコしている。私が悠希の『保護者』…。これは私への『宣戦布告』なの?でも、この子ニコニコしている。これが嫌味ならこの子は相当な役者だわ。返す言葉もなく立ち尽くしていると悠希が近寄ってきた。なんかイラっとしてその場を立ち去る。なんか、悠希の顔見たらイライラしてきた。そのイライラは収まることはなく、いつもだったらバイクの後ろに乗せて帰る悠希を置いてきぼりにした。けれど、それでも収まりきらなくて彼と話をしようと彼の家に先回りした。私はなぜ自分がイライラしているのか、なぜ悠希を乗せずにおいていったのか、なぜ今彼と話しをしようと思っているのか疑問だらけだった。でも彼と話せば答えは見つかる、彼と話をして答えを見つけなければいけないと思っていた。でも彼の顔を見たとたん、感情が爆発した。自分で自分がわからなかった。今から思えば気が狂ったと思われても弁解のしようがない行動をとったものだと我ながら恥ずかしくなる。そして彼は言った。「私が悠希に恋をしているから加奈子に嫉妬している」のだと。ああそうだ。そうだったのだと悟った。完敗だ。自分で自分の気持ちがわかっていなかったけれど、年下の彼は完全に私の心のうちを見抜いていた。そして彼は私が好きだと言ってくれた。涙があふれて止まらなかった。  悠希とこの先も一緒にいたい。でもこんなやきもち焼きで自分の感情をコントロールできない私が彼の恋人でいて、彼の夢の足手まといにならないだろうか?会えない淋しさや彼を取り巻く美しい女性の存在に嫉妬して彼に悪態をつく自分が容易に想像でき、自分のことも嫌いになりそうだ。  この恋の結末を彼の選択に任せるのか?それとも自分で決めるのか?決断までのタイムリミットが刻々と近づいている。 「デビューメンバーに選ばれたよ!やった!やったー!合宿終わったよ!早く美和に会いたい!自宅に着くの11時ころになりそうなんだけど、家で待っていてくれる?」 合宿最終日の夕方、悠希から喜びのLINEが入った。 「おめでとう!子供のころからの夢がかなったね。ほんとにおめでとう。悠希の部屋で待ってる」 バイト中だったので店長に見つからないようにこっそり返事を返す。悠希の部屋に行くつもりだったのであらかじめ泊まる準備とお祝いの準備はしてある。美奈にもこっそり悠希がオーディションに受かったことを告げ、二人でこっそり喜びをわかちあう。 「これで私は芸能人のいとこになる。悠希、私の推しと会うことあるかなあ?サインもらってくれるかな?」 いとこの成功が自分の欲望を満たしてくれるバラ色の将来を思い描いて、美奈はとても喜んでいる。美奈らしいと笑った。    帰ってくるなり悠希は私を求めた。もう先にシャワーを浴びるとも言わず、息が詰まるほど強く私を抱きしめてきた。腕をふるった夕飯も、デビューおめでとうの垂れ幕を中に潜ませたサプライズのくす玉も、もう視界には入らない。 「僕の美和」悠希は何度も私の名前を呼び、髪をなで、頬や首筋に唇を寄せてきた。私も悠希の背中に手を這わせ、指と指を絡ませあい彼を求め続けた。このまま時が止まれと心で願いながら。  結局用意した夕飯は朝食になった。二人で朝食を食べた後、悠希にくす玉を割ってもらい、『デビューおめでとう』の垂れ幕の両脇に二人で立って写真を撮った。忘れられない一枚になる。 「午後からバイトだから」 そう言って、預かっていた合鍵をそっとチェストの上に置き、玄関に向かう。去り際、悠希に抱きしめられた。私も彼の背中に回した手に力を込め、彼の温もりをどん欲に全身で感じようと試みる。 「愛してる」 私が言うと 「僕も愛してるよ」 悠希が応えてくる。しばらくそのままの姿勢でいると 「美和、泣いてるの?」 悠希に涙を気づかれてしまった。 「うん。悠希のデビューが決まって、私も本当にうれしいの。自分のことのようにうれしいの」 と私は言った。私の言葉に安心したように悠希は 「ありがとう。美和の存在が僕に力を与えてくれた。美和が待っていてくれる。美和にかっこいい姿を見せたいと思うと辛いことも乗り越えられた」 私はもう涙を止めることはできなかった。これ以上そばにいると決心が変わりそうだ。 「悠希の実力だよ。幼いころから続けてきたあなたの努力が実を結んだってこと。本当によかったね。バイトに遅刻しちゃう!じゃあね。今日はゆっくり休んで!」 と慌てて玄関ドアを開け、出て行く。 「バイト終わったらうちに来るでしょ?」 と背中で悠希の声がしたが、聞こえないふりをしてドアを閉めた。 そして、スマホの悠希の番号を呼び出し、着信拒否にした。
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