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『アリサが部室の窓から飛び降りた』。
同じクラスのサクラから、その連絡を受けたのは午後8時過ぎ。バイト先のファミレスから帰る途中だった。
何度電話してもメールしても、アリサからの反応はない。私は居ても立ってもいられず、数時間前に出たばかりの学校へ戻った。
校門の前に着くと、辺りにはパトカーが何台か停められ、ライトで照らし出された中庭の茂みの周りには、ドラマやニュースで見たことがある黄色のテープが張り巡らされていた。
あまりに非日常な光景に、私は息が上がったまま、その場にへたり込んだ。
頭がグラグラする。胸が痛い。
「マキ!」
呼ばれて振り向くと、サクラが駆け寄ってくるのが見えた。制服姿の私と同じく、サクラも学校のジャージに鞄を背負ったままだった。
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