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しかし大学卒業後、結局就職がうまくいかず契約社員として保険会社の事務で働き始めた。
実家住まいの私は、家からお弁当を持参し節約に努めた。
なるべく、新しい洋服買わず、職場の付き合いなどはしないように。
理由は岡野ホテルに、もう1度泊まってみたいから。
高級ホテル程の宿泊費ではないものの、安くはない宿泊費を頑張って貯めた。
会社では飲みに行ったりしないので、付き合いの悪い私は自然と社内で孤立していった。
保険会社は女性が大半を占める。
保険会社は営業員が大切にされる。
営業員の殆どが女性ばかりだ。
事務員は営業員が仕事をしやすいようにしなければならない。
営業員には母と変わらぬ年齢の人や若い人まで様々だ。
ただ、上司は男性だ。
私はその上司からパワハラを受ける事になっていった。
最初、上司が持ってきたお客様の契約書の不備を指摘した時だった。
私のような二流大学卒業の契約社員には指摘されたくなかったのだろう。
激高して周囲が凍りついた。
社内で浮いた存在の私を庇ってくれる人も、後から励ましてくれる人も居なかった。
ただただ、怒鳴る上司から逃れられない時間が過ぎていくばかり。
黙っていても、口答えしてもダメ。
私は嫌われているらしい。
それから、少しのミスをする度に怒鳴られる回数が増えていった。
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