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チェックアウトは清々しく?
翌朝、部屋に朝食が運ばれてきた。
ご飯、味噌汁、漬物、焼き鮭、納豆、明太子、お浸し、だし巻き卵、ちりめん山椒、海苔、煮付け。
岡野ホテルの朝食と言えば、この和食なのだ。
もちろん、洋食も美味しいのだけど和朝食が有名。
どれを食べても美味しく、普段は少食なのに今日ばかりは残さず食べれてしまう。
私は御櫃に入ったご飯を残さず食べた。
そう、現実が厳しくとも腹は減る。
パワーを充電して、またこのホテルに泊まろう。
そうじゃないと、泣きそうな自分を保っていられない。
涙を飲み込むように、ご飯を食べた。
チェックアウト時間ギリギリまで、ゆったりとした時間を過ごした。
「深井様、如何でしたか?」
「リフレッシュ出来ました。ありがとうございます。」
「またのお越しをお待ちしております。」
丁寧な挨拶をされて、笑顔で「また参りますね。」と言ってホテルをあとにした。
お嬢様のメッキが剥がれようとも、最後まで演じよう。
そうじゃないと、恥ずかしくて来ることが出来なくなってしまいそうだから。
気の重い日曜日。
重い足取りで自宅へと戻った。
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